【古物商 実務解説】美術品の販売価格の相場・決め方

この記事は専門家が監修しています

有名な絵画や骨董品は見る者を魅了します。

そして、その価格は非常に高価なケースが珍しくありません。

しかし、正直なところ美術品の価値はどのように決まっているのかを知っている方は少ないでしょう。

そこで、今回は美術品の販売価格の決め方や相場について解説していきます。

美術商は非常に奥が深く、知識と経験が必要な業界です。

それだけに、豊富な知識と経験が武器となる業界でもあります。

しっかりと確認をしていきましょう。

美術品の販売価格の相場や決め方はあるの?

美術品において、決まった販売価格表はありません。

しかし、美術品の価値は概ね3つの要素から成り立っています。

そして、この3要素を意識することで美術商人としての考え方が身につくでしょう。

美術品の価値を決める3要素

美術品の価値を決める3要素とは、次の通りです

  • 美的な価値
  • 需要と供給
  • 希少性

実際には①美的な価値については評価する者の文化や感覚により、大きく変動します。

そのため実は、価格形成においてあまり考慮されていません。

美術品の価値を決める大きな要素は、②需要と供給③希少性の二つなのです。

つまり、人気のある(需要の高い)美術品で、作者がすでに亡くなっていたり、非常に古い美術品であったりする(希少性が高い)と美術品としての価値(価格)が非常に高くなるのです。

高価な美術品だからといって、その美術品自体の価値が高いとは限らないのです。

現代美術品の販売価格の決まり方

現代美術品において、著名アーティストには基本的に画廊がついてます。

画廊とは、美術品(絵画や彫刻)を展示する場で、画商が経営しているケースが多いです。

美術品が世に出回るには、通常はこの画廊を通じて取引されるのです。

例えば、美術コレクターなどは画廊を通じて美術品を手に入れます。

その後、コレクターは画廊から通じた絵画を手放すこともあります。

その場合に活用されるのが、美術品オークションなどです。

オークションには多くの美術品が出品され、一番価格が高い入札者が落札するのです。

そのため美術品相場や価格の決まり方を理解するには、美術オークションについても理解する必要があります。

美術品オークションでの高値価格と景気の関係

美術品の価値(価格)が高いからといって、美的価値が高いと限らないことは先ほどご案内しました。

そして、美術品オークションでも同様に落札価格が高いからといって、美術的価値が高いとは限らないのです。

なぜなら、美術品オークションは参加者の『欲望』がぶつかり合うからです。

そのため、オークションに参加している者達は、出品されている美術品の価値が上がると思えば落札価格もドンドン上がります。

一方で、参加者の心理が弱気となり、美術品の価値が下がると思えば、安値でしか落札されないのです。

また、富裕層においては気に入った作品がオークションに出品されれば、高額であっても美術品を購入する傾向が高いですが、オークションに出品をする売り手においては景気を見て出品商品を決めていきます。

なぜなら、景気が悪いと売り手は、美術品を出品しても、高く落札されないのではないか
と考え、良い作品の出品をためらいます。

そして、良い出品を控えた結果、オークション参加者も高値で落札することはなく、オークション自体が盛り上がらないまま終了するケースもあるのです。

実際に、リーマンショックの後では、良い美術品の出品が控えられ高値で落札されるケースは少なかったです。

このように、美術品の販売価格や相場は、景気の動向にも大きく左右されるのです。

2018年は美術品オークションが好調

美術品オークションは景気に左右されます。

理由は、オークションでの落札価格は、売手と買手の心理により大きく異なるからです。

例えば、景気が良い場合には、売り手の心理としても出品すれば、高値で落札される可能性が高いと考えます。

その結果、良い美術品をどんどん出品します。

そして、買い手としても、良い美術品が多数出品されると、会場が盛り上がり、参加者も増えます。
その結果オークションが盛り上がり、想像を超える落札価格が付くのです。

また、通常の美術品オークションでは、オークションを運営する側が、美術品鑑定の専門家と協議をしてた上で、落札価格のレンジを事前に決めてくれます。

つまり、オークション運営者側で○○○万円~○○○万円の間で落札されると予想値を決めてくれるのです。

しかし、必ずしもこの想定価格の範囲で落札する必要はなく、高値でも購入したい方が増えれば落札価格も跳ね上がります。

例えば、とあるオークションにて日本画家・杉山寧の大型絵画、瞳が出品されました。

オークション業者が決めた想定落札価格のレンジは、5000万円~8000万円でしたが、想定落札価格を大きく上回り1億8千万円で落札されました。

オークション業者が定めた想定落札価格上限の実に倍以上での落札価格です。

美術オークションは、景気動向やオークション会場の盛り上がりによって、上記のような現象がおこるのが醍醐味といえるでしょう。

また、アベノミクス効果から景気も上向いております。

そして、景気と連動するように美術オークションにおいても盛り上がりを見せております。

まさに美術商としてもビジネスチャンスが訪れていると言えるでしょう。

美術品販売相場感を身に着ける方法

美術品の相場感を身に着けることは1日では不可能です。

例えば、中古自動車のような買い取り・販売参考図書(通称:レッドブック、イエローブック)があれば、参考書片手に実施することも可能かもしれません。

しかし、美術品は通常1点ものであり、需要と供給で価格が決まります。

そのため、日ごろから美術品に触れ、オークションに参加して相場観を養う他ないのです。

そうはいっても・・・・。

1日でも相場観を手に入れたいあたなのために、相場感を身につけるための必読書をご案内していきたいと思います。

美術品商の卵が販売価格の相場を身に着けるための参考書

美術品の相場を身に着けるために参考となる書籍は多くあります。

なぜなら、実際にオークションで落札された価格や、専門家が一定方法で評価した価格がまとめられた書籍が存在するからです。

しかし、あくまで参考程度で使用してください。

書籍に記載された価格を鵜呑みにして美術商として販売価格を決めてしまうのは非常に危険です。

なぜなら、美術品価格の決まり方には、多数の評価方法や基準があるからです。

これらを理解せずに評価額を決めてしまった場合には、販売価格の桁が1つ間違っていた・・・。なんてケースすら発生するのです。

それでは、美術品商の卵が勉強するための参考図書をご案内していきます。

美術品についての専門書

日本で活躍している美術品の作品価格を調べる参考書

  • 美術年鑑
  • 美術名典
  • 美術市場

上記は、あくまで参考価格にすると良いでしょう。

なぜなら、美術年鑑と美術市場の2冊でさえ、評価方法や評価基準が異なっています。

そして、あなた自身が販売しようとしている美術品も、参考書に記載されている価格がそのまま当てはまるとは限らないからです。

人間は誰しも高値で販売したいので、多くの参考書に記載されている価格の中で一番都合の良い価格を採用しがちです。

しかし、プロの美術商は多数の参考価格を総合的に勘案して、価格を決めていきます。

相場観を養うには良い参考書籍ですので、様々な角度から書籍を読むと勉強となるでしょう。

日本で開催された美術オークションデータを参考とする

オークションデータは実際に取引があった価格なので参考となるでしょう。

可能であれば、実際のオークションに参加する方が勉強にはなりますが、データを分析するのも一つの方法です。

  • 日経アートオークションデータ(日経BP社)
  • 月間美術
  • シンワアートオークション
  • 美術商の百年:東京美術倶楽部百年史
  • 東京美術市場史

美術品の販売価格の相場・決め方 まとめ

プロの美術商は1日では成らず

直ぐに美術品の販売価格を鑑定する能力を身に着けることはできません。

しかし、美術品は、『需要と供給』さらに『希少性』で価格が決まり、さらに景気動向の影響を受ける点を押さえておくことは非常に重要なことです。

今回ご紹介した参考図書をはじめ、実際のオークションに参加していただき、良質な美術品に多く触れていただくことがプロの美術商になる近道です。

この記事をご覧いただいた読者から一人でも多く、プロの美術商が誕生することを期待しております。

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