【古物商 実務Q&A】盗品を買い取ってしまったらどうする?

この記事は専門家が監修しています

2018年に古物営業法が改正されました。そのため記事の内容に一部変更がある場合があります。詳しくは【2018年改正】古物営業法で何が変わる?いつから?をご覧ください。

古物商を営んでいる者です。
盗品を買い取ってしまったら、どうすればいいですか?

盗品を買い取ってしまった場合、警察に連絡する義務があります
また、元の持ち主から返してほしいと言われれば、返す義務があります。
盗品を返す際には決まりがあるので、詳しくは後で説明しますね。

警察に協力する

盗品を取引したら警察に連絡する義務がある

古物商には、盗品の疑いのあるものを取引したら警察に連絡する義務があります。
買い取る前でも、怪しいと思ったら取引を中止して、すぐに通報しないといけません。

連絡しなかったらどうなるんですか?

これは義務なので必ず警察に連絡しましょうね。
もし連絡を怠れば、古物商許可の取り消しや、営業停止命令が下されることもありますよ。

それは大変だ!

それだけじゃないですよ。
盗品だと分かってて買い取ったり、預かったりした場合、盗品保管罪盗品有償譲受け罪という罪にあたり、10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

捕まっちゃうこともあるんですね!

警察に捜査協力を依頼されたら応じる

警察の方から盗品のことで連絡が来ることもあるんですよ。

それはどんなときですか?

警察は窃盗事件などが起きたとき、品触書(しなぶれしょ)という被害品のリストを作ります。
この品触書を古物商に渡して、リストにある被害品が持ち込まれたら連絡するよう協力を求めることがあります。
これを品触れと言います。

品触れが来たら、警察から疑われているということですか?

いいえ。
品触れは近隣の古物商全体に行うものなので、品触れが来ただけでビクビクすることはないですよ。
被害が拡大するのを防ぐためにも、品触れが来たら捜査に協力しましょう

応じなかったらどうなるんですか?

品触書を捨ててしまったり、わざと警察に連絡しなかった場合、営業停止命令が下されたり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

これも結構重い罰があるんですね。

他に警察が古物商に行う措置に、差止めがあります。

差止めとは…?

盗品の疑いのある古物を、他に出回らないように保管させておく措置です。
差止めを受けた古物は、売ったり廃棄したりしてはいけません
差止めを受けた古物を売った人が買い戻そうとしてきても、応じてはダメです。

差止めを受けた古物は絶対に保管しなきゃダメなんですね。

また、委託販売で預かっていただけの古物でも、差止めを受けたからといって返すことはできず、保管しておくことになります

保管する期間はどれぐらいですか?

差止めの期間は30日以内です。

保管しなかったらどうなるんですか?

保管を怠ると営業停止命令が下されたり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

古物商には、盗品を取引したら警察に連絡する義務があります。
連絡を怠ると、古物商許可の取り消しや、業務停止処分、また10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

警察は窃盗事件の捜査協力を依頼するために、品触れに来ることがあります。
品触書にある古物が持ち込まれたら、ただちに警察に連絡しましょう。
品触れに応じなかった場合、営業停止処分や、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

警察は盗品の疑いのある古物を差止めすることがあります。
差止めを受けた古物は、販売、廃棄、返還してはいけず、保管しなければなりません。
差止めを受けた古物の保管を怠ると、業務停止処分や、10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

盗品の元の持ち主から返してほしいと言われた場合

盗品を買い取ったあと、元の持ち主から返してほしいと言われたらどうするんですか?

盗品の元の持ち主から返してほしいと言われた場合、盗品を買い取ったときの状況によって、結論が分かれるんです。

どんな状況があるんですか?

盗品を買い取ったときの状況は、次の2パターンに分かれます。

盗品の買取状況

  • 盗品だと分かっていた、もしくは注意すれば分かった場合
  • 注意しても盗品だと分からなかった場合

盗品だと分かっていた、もしくは注意すれば分かった場合

盗品を買い取ったとき、盗品だと分かって買い取った場合や、注意すれば分かった場合に、元の持ち主から返してほしいと言われたら、無料で返す義務があります

もし、盗品を売ってしまったり、捨てちゃったりして、返せないときはどうするんですか?

盗品を持ち主に返せないときは、お金で賠償しなければならないこともありますね。

『注意すれば分かった場合』とは、どんなときですか?

注意すれば分かる事例

  • 売り主が挙動不審だった
  • 売り主の身分にふさわしくないものを売りに来た
  • 本人確認義務を怠った場合

このようなことが挙げられますね。

なるほど。

買い取った盗品を無料で返すということは、古物商は損をしてしまいますよね。
損をしたくなかったら、これらを徹底するとよいでしょう。

古物商が徹底すべきこと

  • 盗品だと分かっていれば買い取らない
  • 確認には細心の注意をはらう
  • 本人確認を徹底する

注意しても盗品だと分からなかった場合

盗品を買い取ったとき、注意しても盗品だと分からなかった場合に、元の持ち主から返してほしいと言われても、盗難から2年が過ぎていれば、返す義務はないんです

そうなんですね!

「返して」って言われたら返さないといけないルールを作ってしまうと、どんな売買も安心して行えませんよね。だから、“他人のものだと分からずに手に入れたものは、手に入れた人のものになる。”というルールが民法で決められているんです。

へぇ~

ただし、このケースでも盗難から2年以内であれば、元の持ち主に返す義務が発生します

えっ!

そして、盗難からどれだけ経ったかで、無料で返すのか、返すときに弁償してもらえるのかが変わってくるんです。

盗難から1年以内

盗品だと知らずに他の古物商の店舗や、古物市場で買い取った古物(盗品)は、元の持ち主から返してほしいと言われたら、盗難から1年以内であれば無料で返す義務があります

そうなんですね!

元の持ち主から返してほしいと言われたときに、既に他に売り渡していたり、廃棄している場合は、返す義務はありません

返してほしいと言われなければ、特に何もしなくていいんですか?

そうですね。
これは、元の持ち主が返してほしいと言ってきたときにだけ発生する義務です。
また、自分で持ち主を探し出してまで返す義務はありません。

盗難から1年を過ぎてから2年以内

盗難から1年を過ぎてから2年以内であれば、元の持ち主に返す義務はありますが、返すときに古物(盗品)の購入代金を請求することができるんです。

弁償してもらえるんですね!

弁償してもらえる額は、あくまでも仕入れたときの価格です。
古物(盗品)を1万円で仕入れて、2万円で販売しているような場合でも、2万円請求することはできませんよ。
元の持ち主に請求できるのは1万円までです。

なるほど。

もし、古物(盗品)を修理していて、買い取ったときよりも価値が上がっているような場合は、修理代金も合わせて請求できる可能性があります。

へぇ~。

先程と同じで、元の持ち主から返してほしいと言われたときに、既に他に売り渡していたり、廃棄している場合は、返す義務はありません

一般の人が盗品を購入して、元の持ち主から返してほしいと言われた場合

ちなみに、古物商ではない一般の人が、盗品だと知らずにどこかで盗品を購入して、元の持ち主から返してほしいと言われたとします。
その場合、盗難から2年以内は返す義務があるのは同じですが、1年未満であっても、返すかわりに購入代金を弁償してもらうことができます。

古物商の場合、盗難から1年以内なら無料で返す。
一般の人の場合、盗難から1年以未満であっても、返すときに弁償してもらうことができる。
古物商には厳しいルールなんですね。

古物商は古物売買のプロであるため、責任を重く見ているわけですね。

なるほど~。

とあるケース

一般人のAさんが、古物商のBさんから中古パソコンを買いました。
パソコンは盗品で、元の持ち主のCさんが、Aさんに返してほしいと言いました。

※Aさん、Bさん共に、パソコンが盗品だとは知らなかった。
※盗難からまだ2年以内。

このケースではもちろん、AさんはCさんにパソコンを返す義務があります。
そして、AさんはCさんにパソコンの購入代金を弁償してもらえます。

教わったとおりですね。

でも、実際このような状況になれば、Cさんは、自分のパソコンを返してもらうためにお金を払うことになるので、納得いかずに揉め事に発展するかもしれません。

たしかに…

もしかしたらCさんは、「こんな事になったのはお前のせいだ!」と、古物商のBさんにも抗議してくるかもしれません。

そうですね…

こんなトラブルにならないためにも、古物商は盗品を買い取らないように、細心の注意をはらいましょうね

分かりました!気をつけます。

盗品を買い取ったあと、元の持ち主から返してほしいと請求があったとき、盗品だと分かって買い取っていた場合や、注意すれば分かっていた場合は、無料で返す義務があります

注意しても盗品だと分からなかった場合は、返す義務はありません
ですが、盗難から2年以内であれば返す義務が発生します
このとき、あなたが古物商であれば、盗難から1年以内であれば無料で返さなければなりません
盗難から1年を過ぎて2年以内であれば、返す際、元の持ち主に盗品の購入代金を請求できます

以上が、盗品の元の持ち主から返してほしいと言われたときの法律上のルールです。
これは、古物商と、元の持ち主の間で決着がつかないとき、どうするべきかというものなので、双方で折り合いがつけば、他の方法で解決しても構いませんよ

話し合うことが大切ですね。

盗品を元の持ち主に返すときは、本当の持ち主なのか確認する

盗品を元の持ち主に返すときのことで質問です。
持ち主と主張している人が、本当の持ち主ではないということもあるんじゃないですか?

それは十分ありえますね。
本当の持ち主かどうかは必ず確かめるべきです

どうやって確かめればいいですか?

警察に問い合わせて、被害届が出されているか確認しましょう。
出されていれば本当だと思っていいでしょう。

出されていなかったら?

その場合は、一度警察を通してから再度来るようにお願いしましょう
本当の持ち主なら、少々面倒でも承諾してくれるでしょう。
ニセモノなら警察を通すことを嫌がるかもしれません。

なるほど。反応を見れば分かりそうですね。

盗品の元の持ち主が現れても、すぐには信じないようにしましょう。
持ち主になりすまして盗品を横取りしにきている可能性があるからです。

盗品ではない商品に対しても、これは自分のものだと、盗品であるかのように偽ってくる者もいる可能性があります。

また、同棲している恋人が勝手に売ってしまったといったケースのように、たとえ嘘をつかれているわけではなくても、証拠がないと本当か分からないこともあります。

持ち主を名乗る者が現れたら、警察を通してから来てもらうように促しましょう

【古物商 実務Q&A】盗品を買い取ってしまったらどうする? まとめ

盗品を取引したことに気づいたら、必ず警察に連絡しましょう。

盗品の情報を警察に連絡するのは古物商の義務です。
怠った場合、古物商許可の取り消しや、業務停止処分、また10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

盗品を買い取ったあと、元の持ち主から返してほしいと請求があったとき、盗品だと分かって買い取っていた場合や、注意すれば分かっていた場合は、無料で返す義務があります

注意しても盗品だと分からなかった場合は、返す義務はありません
ですが、盗難から2年以内であれば返す義務が発生します。
このとき、あなたが古物商であれば、盗難から1年以内であれば無料で返さなければなりません
盗難から1年を過ぎて2年以内であれば、返す際、元の持ち主に盗品の購入代金を請求できます

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