【古物商 実務解説】古物台帳に記入しなくてもいい場合とは

この記事は専門家が監修しています

古物商許可を取得した古物業者は、取引の記録を古物台帳に記入する義務があります。

なぜなら、『盗品が流通した場合には、古物台帳の情報を基に捜査を行い、被害の早期解決を図る』からです。

そのため、古物台帳には『いつ』、『誰から』、『どんな古物を』仕入れて、その古物を『いつ』、『誰に対して販売した』かの記録を残しておく必要があるのです。

しかし、古物業者はすべての取引を台帳に記載する必要はありません。

例えば、『古物を売却する場合や、取引金額が少ない場合には古物台帳への記載をしなくても良いケースがあるのです。

そして、皆さんが古物業者となった場合にも、『取り扱う古物の品目や、価格によっては古物台帳への記載が必要かどうかの結論が異なるのです。

今回は、『どんな場合に古物台帳への記入が免除されるのか』を確認していきましょう。

古物台帳への記載をしなくても良いケース

古物台帳への記入が不要となるケースはとしては、『古物を買い受ける(仕入れる)場合』と『売却する場合』とで異なってきます。

また、『どんな種類の古物を取引するのか』、さらに『いくらで取引するのか』により、古物台帳への記録が必要かどうかの結論も異なってくるのです。

細かなケースを一度に確認することは難しいと思いますので、古物台帳へ記録する必要がある理由の確認と、記録が必要かどうかを一覧図で確認してみましょう。

古物台帳への記載が必要なケース一覧

取引の形態 買取りの場合 売却の場合
対価の総額が1万円以上 全ての古物取引において古物台帳への記録義務がある。 時計、宝飾品類、自動車、バイク、原付(部品を含む)の取引の場合のみ古物台帳への記録義務がある。
対価の総額が1万円未満 バイク、原付(ねじ、ボルト、ナット、コード以外の部品を含む)、書籍、ゲームソフト、CD、DVDなどは古物台帳への記録義務がある。 バイク、原付(部品を除く)の場合のみ古物台帳への記録が必要。

取引を古物台帳へ記録をする理由

古物の取引は盗品が混じる可能性がある商売です。

そして、万が一盗品が混じってしまった場合には、警察は解決のために捜査をします。

また、『警察は盗品がどのようにして流通したかの経路を調べる際には、古物業者が保管する古物台帳の情報を確認していくのです。

そのため、『犯罪組織が利用しづらい品目の場合や、少額の取引』の場合には、古物台帳に記録する義務が免除されるのです。

また、古物業者としても、古物を売却する時よりも、買取りをする場合(仕入れ時)に盗品取引をする可能性が高まります。

なぜなら、古物の買取り時には、どのようにして古物が流通して手元にきたかの把握をすることができないからです。

そこで、皆さんが古物業者となった後には、『古物を売却する場合よりも、古物を買取る(仕入れる)際に古物台帳への記録が必要となるのです。

逆に考えると、古物台帳への記載が免除されるケースの多くは売却の場合となります。
それでは、実際にどんな場合に記載が免除されるのかを確認していきます。

【古物の買い取り】古物台帳への記帳が免除されるケース

古物の買い取りを行う場合には、古物台帳への記録が免除されるケースがあります。

つまり、次の取引においては、古物台帳へ記録する必要がなくなるのです。

古物買取り時の取引金額や取引品目』などで記録義務が必要かどうかの結論が異なってきますので、しっかりと確認をしていきましょう。

【買い取り】古物台帳への記録が不要なケース

  • 1万円未満の古物取引 ※例外として記載が必要な古物品目あり
  • 自身で売却した古物を相手方から買い戻す場合

1万円未満の古物取引は古物台帳への記録は原則不要

古物を買い入れる時、または売却する時に、取引価格の合計金額が1万円未満の場合には古物台帳への記載は不要となります。

また、1万円未満となりますので、取引金額の合計が1万円であった場合には古物台帳への記録が必要となりますので注意しましょう。

そして、あくまで原則的に不要となる場合なので、例外規定がある点には注意が必要です。

それでは例外規定を確認していきます。

1万円未満の古物買取りであっても古物台帳への記録が必要な品目

1万円未満の古物買取りに関しては、原則として古物台帳への記録が不要でした。

しかし、『窃盗被害の状況や古物市場への盗品の流通との関係』から『金額の大小に関わらず、買取り時に古物台帳への記録が必要な品目』があります。

つまり、『金額に関わらず古物の買取りをした場合には、必ず台帳への記録が必要な品目が存在するのです

以下の品目の買取りを行った場合には、金額に関わらず必ず古物台帳への記録が必要となりますので注意しましょう。

1万円未満でも買取り時に台帳へ記録が必要な品目

  • オートバイ
  • ゲームソフト
  • 書籍
  • CD,DVD

上記の品目においては、特に万引きや窃盗件数が多いため金額に関わらず台帳への記録が必要となっております。

【古物の売却】古物台帳への記録が免除されるケース

古物を売却する場合には、古物台帳への記録義務が大幅に免除されます。

しかし、『盗品が流通する可能性が高い品目に限っては、売却の場合でも古物台帳への記録義務が発生します』

また、古物を売却した際に古物台帳へ記載が免除されるかどうかは、『取引金額』によって3パターンに分かれます。

それでは、売却の際にも記録が必要なパターンと品目についての確認をしていきましょう。

【売却時】 古物台帳記載の可否

  • 売却時の古物台帳への記録は原則免除
  • 1万円以上の売却時に必要な古物6品目
  • 1万円未満の売却時にも必要な古物品目

    

売却時には古物台帳への記載は原則免除される

古物を買い受ける(仕入れる)場合とは異なり、売却する場合には古物台帳への記録が免除されるケースが多いです。

なぜかと言えば、盗品が流入する可能性は、売却する時よりも、買い受ける時の確率が圧倒的に高いからです。

そこで、『古物を売却する際には、取引金額が1万円未満であった場合には『自動二輪』、『原動付き自動車』以外は古物台帳への記録が免除』となります。

また、取引金額が1万円以上であった場合には、『自動二輪』、『原動付き自転車』に加え『自動車』、『時計』、『美術品』、『宝飾品類』の6品目において、古物台帳への記録が必要となってきますので注意をしましょう。

1万円以上の売却時に古物台帳への記載が必要となるケース

古物を売却する際に、合計金額が1万円以上であった場合には古物台帳への記録が必要となる品目が6つあります。

1万円以上の古物を売却した場合に古物台帳への記載が必要となる6品目

  • 自動車
  • 時計
  • 美術品
  • 宝飾品類
  • 原動付き自転車
  • 自動二輪

※自動車の売却の際には、相手の住所、氏名、職業、年齢の記載は不要となります

1万円未満の売却時にも必要な古物品目

古物の売却時においては、取引金額がいくらかに関わらず古物台帳への記録が必要となる品目があります。

『バイクや原動付き自転車は、高額であり、かつ窃盗団などに狙われやすいためです』。

そのため、すべての取引において、古物台帳への記録義務が発生します。

古物売却時に1万円未満であっても古物台帳への記録が必要な品目

  • 自動二輪
  • 原動付き自動車(部品は含まない)

古物台帳への記載が必要な品目ほど、窃盗団に狙われやすく、盗品が混じる可能性があります。

これらの取り扱いを検討される方は、古物台帳への記載を徹底することをおススメ致します。

【古物商 実務解説】古物台帳に記入しなくてもいい場合まとめ

古物台帳への記入は古物業者の義務です。

そして、必要な取引を記入していない場合には罰則が適用されます。

しかし、すべての取引において記録が必要となるわけではありません。
取引形態』や『古物の金額』、または『古物の品目』によっては、古物台帳への記入が免除されるケースもあるのです。

皆さんにおいては、古物台帳への記入が必要な取引であるかどうかを、しっかりと確認するようにしましょう。