【古物商Q&A】古物商許可を取るときの管理者って何をする人?

この記事は専門家が監修しています

古物商許可を申請する場合において『管理者』を誰にするかはすごく大切なことです。
なぜなら、古物商の営業所にはかならず、『管理者』を置かなければいけないからです

しかも、古物に関する法律では『管理者として適切な人物を選ばないと許可がおりない』可能性すらあるのです。

それでは、古物商許可を取得する上で重要な役割となる管理者とは一体、どんなことをするのでしょうか?
また、管理者になるための条件や、どのような者を管理者に選べばよいのかを一緒に確認していきたいと思います。

古物商許可を個人で取得する予定の方も、法人での取得を検討されている方においても、どちらのケースでも管理者は必ず選ぶ必要があります

すべての古物商許可申請において、『管理者』は重要なポイントとなりますので、しっかりと確認をしていきましょう。

古物商の管理者って何をする人?

古物商許可申請をする上では、必ず営業所の管理者を決める必要があります

しかし、この管理者は一体何をするために選ぶ必要があるのでしょう。

そして管理者の仕事として、どのような業務があるのかも確認していきたいと思います。

管理者は古物に関する営業所の責任者

古物商の管理者は、古物取引に関しての業務が正しく行われるように管理をする『店舗責任者』の役割があります。

なぜなら、古物(中古品)の取引は新品に比べて、盗難品等が混ざりやすいからです。

また、古物商許可は、『盗難品の流通防止』と『被害の早期回復』のための許可制度であるため、許可制度の目的を達成するためにも、営業所単位でしっかりと管理する必要があるのです。

つまり、管理者の役割としては、営業所で毎日行われる古物取引が正しいかどうかチェックし、他の従業員へ指導や監督をするのが主な仕事となります。

また、実際に盗難品が流通した際に行われる警察の捜査においても、管理者を中心として協力していくのです。

管理者になるために必要となる能力

管理者になるためには、国家資格など特別の知識や能力は不要です。

そのため、一定の要件に当てはまる者を除いては、誰でも管理者になることができます。

しかし、古物取引に関しては『営業所の責任者』という立場になるので、正しい法令知識を身に着け、さらに、他の従業員の指導や管理ができる立場である必要があります。

また、不正品であるかどうかをチェックできる知識と能力を持つ者でなければ管理者としての実務はこなせないでしょう

実際には、取り扱う古物の品目(種類)によって、求められる知識や経験が異なるのが古物商の特徴ではありますが、『店舗を統括し責任の取れる立場の者』が管理者となることが望ましいでしょう。

取扱う古物の種類(品目)で必要となる管理者の知識や経験が異なる?

例えば、取り扱う古物の品目が、書籍や衣類(洋服)などであれば管理者として専門的な知識や経験はさほど必要とはなりません。

しかし、取り扱う古物が『自動車や自動車部品等』であった場合には、3年程度の中古自動車業界での経験者と同一レベルの知識や能力が求められるでしょう。

それではなぜ『書籍や衣類』ではさほど知識や能力を求められないのに、中古自動車の取引には知識が求められるかのでしょうか。

理由は、自動車等は犯罪組織の収益源になりやすい古物だからです。

一般的に中古自動車の取引は衣類や書籍に比べて、高額な取引となります。
そのため、犯罪組織としても、書籍や衣類に比べて、盗品をより流通させたい古物なのです。
逆に言えば、犯罪を取り締まる警察においては、厳しく管理する必要がある古物となります。

古物商許可の管理者になれない者

古物商の管理者になるには特別な資格は不要でした。

しかし、どんな人でも管理者になれるわけではありません

一定の要件に該当する者は、古物商の管理者となることはできないのです。

そして、古物商許可申請手続きにおいて、万が一管理者になれない者を選んでしまった場合には古物商許可の取得ができなくなりますので注意しましょう。

それでは、管理者になることができない要件を確認していきます。

管理者になれない要件(欠格事由)

管理者になれない者は以下に当てはまる方です。

基本的には、通常の取引ができる方であれば、要件には該当しないでしょう。

しかし、選んだ管理者が欠格要件に当てはまった場合には古物商許可の取得ができません。
万が一に備えて必ず事前によく確認することをおすすめ致します。

欠格要件

  • 未成年者
  • 成年被後見人や被保佐人、又は破産者で復権を得ていない人
  • 住所が定まっていない人
  • 禁固以上の刑に処せられ、刑の執行が終わってから5年を経過していない人
  • 古物営業法違反(無許可営業や許可の不正取得、名義貸し、営業停止命令違反での罰金刑)に処せられ、刑の執行が終わってから5年経過していない人
  • 背任、逸失物横領、盗品等の有償譲受などの一定の罪で罰金刑に処せられ、刑の執行が終わってから5年を経過していない人。

上記の通り、管理者になれない要件(欠格要件)は大きく6つありました。
そして、この欠格要件は古物商許可の申請者の欠格要件と同じ要件となります。

そのため、申請者と管理者が別々の人物である場合には、古物商許可申請の添付書類として、申請者に加えて管理者用の証明書類を揃える必要があります

古物商許可申請には管理者について以下の証明書類の提出が必要

  • 住民票
  • 登記されていないことの証明書
  • 身分証明書(市区町村発行)
  • 略歴書
  • 誓約書

なお、補足としてですが、申請者が営業所の管理者を兼ねることも可能です。

この場合には、必要となる書類の多くは同様のものを利用できますが、『誓約書』については、申請者用と管理者用の2枚の提出が必要となる場合があります。

管轄警察署により扱いが異なりますので事前に確認されると良いでしょう。

古物商の管理者は営業所ごとに1名必要

古物商の管理者は、営業所ごとに1名必要となります。

つまり、営業所が複数あれば営業所毎に管理者を選ぶ必要があるのです。

そして、管理者はその営業所に常勤する必要がありますので、原則として複数の店舗を掛け持ちしたり、通勤が困難な場所に住んでいる者を管理者に選任することはできません。

また、通勤の目安は、片道2時間程度となります。
通勤にそれ以上の時間がかかる場合には、常勤として勤務することに疑いを持たれても仕方がないでしょう。

どうしても遠方に住んでいる方を管理者に選びたい場合には、事前に管轄警察署に確認してみることをおすすめ致します

また、例外規定として、同じ土地に建物が2つある場合や、同じビル内に営業所が複数あるケースでは、複数の事務所や店舗管理が容易にできることを条件に例外的に同一人物が複数の店舗管理者を兼任することが可能となります。

あくまで例外規定となりますので、検討したい方においても管轄警察に事前確認をしてみましょう

【古物商Q&A】古物商許可を取るときの管理者って何をする人? まとめ

古物商を許可制度にした目的は、『盗難品の流通を防止』することと、『被害の早期回復』の2つです。

そして、管理者はこの目的を達成するために重要な役割を担っています。

例えば管理者は、日々の古物取引において、盗難品を見極めなければいけません。
また、従業員への指導や監督も管理者の責任において実施するのです。

取り扱う古物の種類(品目)によっても管理者に求められる知識や経験は異なってきますが、古物商許可申請においても、さらに申請した後の店舗運営においても管理者は重要な役割となることは間違いありません。

申請者が管理者となる場合においては問題ないと思いますが、申請者とは別に管理者を選ぶ場合には、信頼のおける者を選任するようにしましょう。