【2018年 古物営業法改正】追加された本人確認方法をわかりやすく説明

この記事は専門家が監修しています

2018年に古物営業法が改正されました。そのため記事の内容に一部変更がある場合があります。詳しくは【2018年改正】古物営業法で何が変わる?いつから?をご覧ください。

2018年、古物営業法が改正されました。
施行は2段階に分かれ、第1段が10月24日に施行されました。
(第2段『許可単位の見直し』の施行日は未定で、2020年4月24日までに施行されることは決まっています)

第1段で施行された項目に、『非対面取引における本人確認方法の追加』というものがあります。

これは何かというと、今、古物商業界では、インターネットを利用した取引が急速に普及しています。

インターネットの取引では、古物商とお客さんは画面上で情報をやり取りするだけで、実際に顔を合わせての取引はしない、つまり、非対面取引です。

古物商は古物の売買を行うとき、売り主の住所、氏名、年齢、職業を確認する義務があります

非対面取引では、本人情報を偽って取引する、いわゆる『なりすまし』を行う者も残念ながら存在します。

そのため、なりすましをを見破るために、従来の本人確認方法に加え、新たにネット取引に特化した本人確認方法を増やしたというわけです。

ここからは、以前からあった非対面取引における本人確認方法と、新たに追加された非対面取引における本人確認方法について、一つずつ解説していきます。

非対面取引での本人確認方法 全15パターン完全解説

非対面取引における本人確認方法は、以前までは10パターンありました。
そして今回の法改正で新たに5つ追加され、全部で15パターンあります。

追加された本人確認方法を解説する前に、まず従来の本人確認方法から理解してもらうと分かりやすいので、そちらから先に解説していきます。

従来の非対面取引における本人確認方法10パターン

では、以前からあった10パターンから見ていきましょう。

1. 相手方から電子署名を行ったメールの送信を受けること。

どういうこと?

電子署名って何?

総務省では、電子署名をこう説明しておる。
電磁的記録に記録された情報について作成者を示す目的で行われる暗号化等の措置で、改変が行われていないかどうか確認することができるもの

……?

……?

うむ、分かりにくいな!

電子署名とは簡単に言うと、
このファイルは『誰が作りました』、『改ざんされていません』といったことを証明する仕組みです。

この仕組みには、『公開鍵暗号方式』という仕組みが用いられています。

ファイルを暗号化したり、暗号を元に戻したり(復号という)するには、2種類の鍵が必要になります。

自分だけが持つ『秘密鍵』と、みんなに広く配る『公開鍵』です。
この2つの鍵はペアになっていて、一方の鍵で暗号化したものは、もう一方の鍵でしか復号できません。

ん~もう少し詳しく!

古物商営業の本人確認に当てはめてみましょう。

古物を売りたいAさんが、自分の本人情報を記載したファイルと、暗号化した電子署名を、古物商のBさんに送るとします。

まずAさんが自分の秘密鍵を使ってファイルを暗号化し、電子署名を作ります。

そして、Aさんは本人情報ファイルに電子署名を添えて、Bさんに送ります。

受け取ったBさんは、自分の持っている公開鍵を使って電子署名を復号します。

Bさんは、Aさんの送った本人情報ファイルと、復号した電子署名を見比べて、2つが同じであると確認します。

これによって、Bさんは自分の持つ公開鍵で電子署名を復号できたので、暗号化は公開鍵とペアになっている秘密鍵でされたものだと分かり、秘密鍵を持っているのはAさんだけなので、電子署名を作ったのはAさんだと証明されます。

そして、もし改ざんされていれば復号できないはずので、電子署名は改ざんされていないことも証明されるというわけです。

ふ~ん

本当に分かったの?

まぁとにかく、電子署名が行われていれば、本人であるという信頼性がグッと高まるということじゃ

2. 相手方から地方公共団体情報システム機構が発行した電子証明書と電子署名を行った住所、氏名、職業及び年齢に係る電磁的記録の提供を受けること。

また、わけの分からない単語が……

ほんと、難しすぎっ!

これは先述の本人確認方法1とほぼ同じことで、電子署名の仕様が異なる。
具体的に言うと、売り主がマイナンバーカードをパソコンに接続されたカードリーダーにセットして、電子署名を行うといった感じじゃな。
この方式を行うことが出来る古物商は、総務大臣が認定した者に限られておる

3. 相手方から特定認証業務を行う署名検証者が発行した電子証明書と電子署名を行った住所、氏名、職業及び年齢に係る電磁的記録の提供を受けること。

もー、だから難しいって!

これは先述の本人確認方法2とほぼ同じ。
簡単に言えば、本人確認方法2の方式が簡略化されたものだと理解してくれればよい。
この方式は、総務大臣の認定を受けていない古物商でも構わない

4. 相手方からから印鑑登録証明書及び登録した印鑑を押印した書面の送付を受けること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これなら、何となく分かるかも……!?

うむ、賢いな。
要するに、売り主が品物を送るとき、品物と一緒に、『印鑑を押した申込書』『押した印鑑の印鑑証明書』を送ってもらうというやり方じゃ。
『印鑑登録した印』とは、いわゆる実印のことじゃ。
実印が押してあるならば本人である可能性が非常に高いといえる。
書面は申込書以外にも、査定申込書など、印影以外の文字が記載されていないものなら何でも良い

5. 古物商が相手方に対して本人限定受取郵便等を送付して、その到達を確かめること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

本人限定受取郵便?

本人限定受取郵便とは、郵便局が行っているサービスじゃ。
本人限定受取で送られてきた郵便物は、配達員に身分証明書などを提示して、本人だと証明されたら受け取れるという仕組みなんじゃ

例えば、古物商が売り主から品物を受け取ったら、本人限定受取郵便で見積書などを送り、売り主から返事(メールでも電話でも可)をもらうという方法です。

6. 古物商が相手方に対して本人限定受取郵便等により古物の代金を送付する契約を結ぶこと。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、先述の本人確認方法5とほぼ同じです。

本人確認方法5では、本人限定受取で送るものが見積書などでしたが、こちらは、古物商が売り主に代金を送るとき、本人限定受取の現金書留を利用するという方法です。

代金の支払いを現金書留で行うと合意された前提の方法なので、もし、古物商が現金書留と異なる方法で代金を支払う場合は、改めて売り主が本人であるかどうかを確かめる措置が必要です。

7. 相手方から住民票の写し等の送付を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等を転送しない取り扱いで送付して、その到達を確かめること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

ん~、また難しくなってきた……

よし、順を追って説明しよう。
まず、『住民票の写し等』とあるが、これは住民票のコピーということではないぞ
住民票の記載事項証明書』、『戸籍謄本・抄本』、『印鑑登録証明書』といった、市区町村の窓口で取った各種証明書のことなので要注意じゃ!
もう一つ注意してほしいのが、この住民票の写しは、個人番号が記載されていないものを使用してほしい

てっきり、コピーかと思ってた!

そして、『簡易書留』とあるが、書留とは、郵便物が、どこの郵便局で引き受けされて、どこまで配達されたかをデータで記録してくれる郵便のことなんじゃ。
現金を送るときは現金書留
他に一般書留簡易書留があって、書類の重要度が高いものが一般書留、それ以外が簡易書留という感じじゃな。
書留は受け取る際、印鑑か署名が必要なので、必ず手渡しで配達することになっておるじゃ

なるほど~

そして、『転送しない取り扱い』とあるが、これは普通、『転送不要』という言い方をする。
まず、『転送』とはなにか。
これは引っ越しの経験がある者なら、やったことがあるかもしれん。
あらかじめ郵便局で申し込んでおくと、旧住居を引き払った後、入れ違いで旧住居に送られてきた郵便物を新住居に届け直してくれるサービスじゃな。
転送不要』とは、ややこしいのだが、“転送しなくていい”という意味ではなく、“転送してはいけない”という意味なんじゃ。
だから、転送不要の扱いで送られた郵便物は、送り先に誰も住んでいなかった場合、転送してはいけず、送り主に返還することになっておるんじゃ。

『転送不要』で送ることで、住所確認になっているのね!

そういうことじゃ!
本人限定受取郵便の簡易版という感じじゃな

まとめますと、売り主に住民票の記載事項証明書などを送ってもらったら、転送不要扱いの簡易書留で見積書などを送り、連絡をもらうということです。

簡易書留は、配達先で受領印をもらい配達記録が残るものであれば、郵便局ではない他の業者のサービスでも可能です。
営業所留めで受け取れたり、集合ポストに配達する、お隣に預けるなどのものではダメです。

郵便局では『特定記録郵便』というサービスもありますが、これは発信記録のみで、受領記録が残らないので、これもダメです。

8. 古物商が相手方から住民票の写し等の送付を受け、そこに記載された本人名義の預貯金口座等(預貯金口座又は郵便振替口座)に古物の代金を入金する契約を結ぶこと。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。

これは、住民票の写しを送付してもらうところまでは、先述の本人確認方法7と同じです。

その後、代金を売り主の口座に入金する際、送付してもらった書類に書かれた名前と、入金先の口座名義人の名前を見比べて、本人確認する方法です。

一般的な口座振替依頼書では、振替先の預貯金口座等の名義まで記載されていない場合もあるので、その場合、当該の預貯金口座等が開設されているのかを金融機関に問い合わせて、名義を把握する必要があります。

9. 相手方から身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等のコピーの送付を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめ、併せてそのコピーに記載された本人の名義の預貯金口座等(預貯金口座又は郵便振替口座)に古物の代金を入金する契約を結ぶこと(そのコピーを取引の記録とともに保存することとする。)
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、売り主から免許証などのコピーを送ってもらい、そこに記載された住所に転送不要扱いの簡易書留で見積書などを送り、売り主から連絡をもらったら、その名義の口座に代金を振り込むという方法です。

身分証明書のコピーは、画像が鮮明で記載内容が読み取れるものであれば、写真画像スキャナー画像のデータファイル、それを印刷したものでも可能です。

10. IDとパスワードの送信を受けること等により、相手方の真偽を確認するための措置を既にとっていることを確かめること。

これは例えば、ホームページ上で取引を行う場合、先述の本人確認方法1~9の方法で本人確認できた相手にIDとパスワードを与えて、2回目以降の取引は、IDとパスワードの入力によって会員ページにアクセスしてもらい、本人確認するという方法です。

必ずIDとパスワード、両方なければなりません。

新たに追加された非対面取引における本人確認方法5パターン

ここからが2018年の法改正で新たに追加された、5パターンの本人確認方法です。

11. 相手方から運転免許証、国民健康保険被保険者証等の異なる身分証明書のコピー2点又は、身分証明書等のコピー1点と公共料金領収書等(コピーも可)の送付を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、売り主から、2種類の身分証明書のコピーを送ってもらう。
もしくは、身分証明書のコピー1点と、公共料金の領収書など(コピーも可)を送ってもらって、そこに記載された住所に転送不要扱いの簡易書留で見積書などを送り本人確認する方法です。

公共料金の領収書って、何でもいいの~?

電気、ガス、水道などの公共料金の他に、国税や地方税の領収書または納税証明書、社会保険料の領収書でもよい。
そして大事なのが、領収日または発行年月日の記載があるもので、売り主から送付を受ける
6ヶ月以内のものに限られておる。

12. 古物商が提供したソフトウェアにより、相手方から運転免許証等の身分証明書を撮影した画像の送信を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、先述の本人確認方法9と同じようなことなのですが、画像の送信を古物商が提供するソフトウェア経由で行うという違いがあります。

ソフトウェアは、古物商の委託先が開発したものでも、第三者が開発したものでも可能です。

送信してもらう画像は、加工が可能であるものや、あらかじめ撮影された画像ではダメです。

身分証明書は表面だけでなく、裏面厚みなど、その他の特徴が分かるように撮影してもらわなければなりません

そして、画像は帳簿などと一緒に保存する必要があります

13. 相手方から運転免許証等のICチップ情報(住所、氏名、年齢、生年月日)の送信を受け)、当該情報に記録された相手方の住所宛に簡易書留等を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、売り主から運転免許証マイナンバーカードといった、ICチップが組み込まれたカードを、カードリーダーを使ってソフトウェアに送信してもらい、そこに記載された住所に転送不要扱いの簡易書留で見積書などを送り本人確認する方法です。

ICチップが偽造されてたらどうするの?

偽造されてないかを確認するために、先述の本人確認方法1で紹介した、電子署名を必ず用いることになっておる

14. 古物商が提供したソフトウェアにより、相手方から容貌を撮影した画像の送信を受け、及び運転免許証等の本人確認書類(写真付のもの)の画像の送信を受けること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、先述の本人確認方法12とほぼ同じです。

身分証明書の画像に加えて、売り主の顔写真を送ってもらうという方法です。

顔写真は静止画だけでなく、リアルタイムのビデオ通話による動画でも構いません

ソフトウェアに関する決まりや、身分証明書の撮影方法に関する決まりも、本人確認方法12と同じです。

15. 古物商が提供したソフトウェアにより、相手方から容貌を撮影した画像の送信を受け、及び運転免許証等の写真付身分証明書等のICチップ情報(写真を含むもの)の送信を受けること。
併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければならない。

これは、先述の本人確認方法1314のミックスです。

ソフトウェアに関する決まりや、顔の撮影方法に関する決まりは、本人確認方法14と同じです。

ただ、この方法の場合、ICチップ情報に写真が含まれていなければなりません

本人確認方法13と同様に電子署名を用いる必要があります。

本人確認を怠った場合の罰則

古物商には3大義務というのがあって、その一つに『本人確認の義務』があります。

本人確認を怠った場合は、しっかりと罰則もあります。

本人確認しなかったり、確認していても適切な方法ではない場合、古物商許可の取り消しや、営業停止命令が下される可能性がありますし、
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられる可能性もあります。

本人確認していたつもりでも、この記事で紹介した本人確認方法ではないかも……!?
という古物商の方は、今一度チェックしてみましょう。

例えば、免許証の写しをもらうだけで済ませてはいませんか?

もし、そうだったら……それは違反になってしまいますよ!

法人相手の取引の場合も、担当者の氏名、年齢、職業を確認しなければなりません。

古物商が法人である場合

法人の役員や従業員が確認義務違反を犯してしまった場合、まずは事件性がないか調査します。
「うっかりミスだった」など、事件性がないと判断されれば、書類上での警告、または営業停止処分などの行政処分を受ける可能性があります。

事件性があると認められた場合、確認義務違反をした従業員だけが罰せられるだけではなく、法人にも30万円以下の罰金が科せられる可能性があります

例外として本人確認が要らないケースがある…!?

実は例外で、本人確認が要らないケースが2つあります。

一つは、自分が売却した品物を、もう一度その相手から買い取る場合です。

このケースは品物が盗品である可能性がほぼ無いので、本人確認は免除されます。

もう一つは、買取価格が1万円未満である場合です。

このケースは買取価格が少額なので、犯罪に使われる危険性が低いと考えられるため、本人確認は免除されます。

しかし、”例外の例外”があります!

買い取る品物が書籍やCD、DVD類、ゲームソフトやオートバイ、オートバイの部品の場合、買取価格にかかわらず本人確認をしなければなりません

これらの商品は、少額でも小遣い稼ぎで万引きや盗難されることが多いからです。

更に気をつけるべき点がもう一つ!

たとえ買取価格が1万円未満で、品物が書籍やCDなどの例外の商品以外でも、売り主が18歳未満でないかどうかを確認しなければなりません!

これは、18歳未満の者から買い取りを行うことが、法律や条例によって規制されているからです

じゃぁ結局、どんな場合でも本人確認はやっておいた方がいいんじゃない……?

うむ、ワシもそう思う……。
18歳未満かどうかなんて、見た目で分からないこともあるからな。
本人確認の必要性の有無に、例外は無いと思っておいたほうがいいだろう

【2018年 古物営業法改正】追加された本人確認方法をわかりやすく説明 まとめ

インターネットを使った古物の買い取りは、古物商と売り主が直接顔を合わさず、画面上で情報のやり取りを行う、非対面取引です。

非対面取引の場では、身分を偽って取引する『なりすまし』をする者も中にはいます。

古物商には本人確認の義務がありますので、なりすましを見破るために、ネット取引に特化した本人確認方法が新たに5つ追加されました。

本人確認は怠ったり、間違った方法で行うと罰則が科せられる可能性もあります

これから古物商ビジネスを始める方も、もう既に行っている方も、今一度チェックして十分に理解しておきましょう。

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