新幹線や特急列車の指定席券を転売したら違法?

この記事は専門家が監修しています

最近、人気アーティストのライブチケットなどで、「転売で逮捕された」「主催者側で厳しい転売対策を取っている」という報道を、耳にされたことがあるのではないでしょうか。

その一方で、本来のネットオークションの役割であった「都合がつかなくなったからチケットを出品したい」「知人に定価で譲りたいのに、チケットの名義である自分の身分証がないと入場できないのは厳しすぎる」といったユーザーの意見もあります。

「転売」という行為自体がなくならない限り、良心的なファンの人達にも不便をかけてしまう施策をせざるを得ない、というのが現状です。

では、あまり目立ってニュースにはならない、電車のチケットの転売についてはどうでしょうか。今回は、新幹線や特急券の指定席券の転売は違法なのか、また逮捕された事例はあるのか、についてご紹介させていただきます。

電車のチケットはどこからが転売と判断される?

結果が同じでも判断が違う?

ではまず、以下のケースが転売にあたるかどうか、考えてみてください。

ケース その1
電車に乗るのが趣味で、ブルートレインの記念列車のチケットを入手した。ところが、仕事上のトラブルがあって行けなくなってしまったため、やむを得ず自分と家族が使用するために購入したチケット5枚をネットオークションに出品したところ、数十万円で落札された。

ケース その2
電車に乗るのが趣味で、ブルートレインの記念列車のチケットを入手した。自分が使用するための1枚だけ手元に残し、余分に購入した5枚をネットオークションに出品したところ、数十万円で落札された。

では、正解をご案内いたします。

ケース その1 ◯転売にあたらない
ケース その2 ✕転売にあたる(悪質な場合は逮捕もありうる)

『余分に購入した5枚をネットオークションに出品したところ、数十万円で落札された』という最終結果は同じなのに、どうして転売かどうかの判断は異なるのでしょうか?

一言でいうと、転売で儲けようという意志があったかどうか、が判断基準です。転売目的で新幹線や特急券の指定席をオークションで販売していると、捕まるリスクがあります。

転売(違法)だと判断される基準は?

では、上の章のケースで、具体的に転売だとみなされる判断基準を確認していきましょう。

ケース その1 ◯転売にあたらない
ネットオークションへの出品は、自分が使用できなくなったチケットを処分するのが目的です。意図的に儲けようとしたわけではなく、不要になったチケットが高額で落札された場合は、転売にあたりません。

ケース1のような事情があって、転売とみなされるかもと心配している方は、どうぞ安心してオークションへ出品してください。

ケース その2 ✕転売にあたる(悪質な場合は逮捕もありうる)
ネットオークションへの出品は、あえて余分に購入したチケットを高値で販売するのが目的です。意図的に儲けようとして、ニーズがあることを理解した上で購入したチケットが高額で落札された場合は、転売にあたります。

正直グレーゾーンな部分も・・・

一回のみでは、正直判断するのは難しいです。最初から転売目的であったとしても、「友人たちと旅行に行く予定だったがキャンセルになった」と言えば言い逃れることも可能なケースもあると思います。

ただし、継続して転売行為をしていた場合は、「ほぼ毎日旅行に行く予定があって、たまたま毎日都合が悪くなる」ということは考えにくいです。転売の意志があるかどうかは、継続性や累計金額などから警察が判断します。そして、警察は犯罪捜査のプロですから、下手な言い訳は通じないでしょう。

また、ケース その2のようなプレミアムチケットの転売以外にも、新幹線のチケットを6枚セットの回数券料金で購入し、1枚のみの正規購入料金より安くオークションに出品して差額を得ることも、転売とみなされる可能性があるので注意しましょう。

電車のチケットの転売はどういう罪に問われる?

では、悪質な転売とみなされた場合には、どのような罪に問われるのでしょうか。現状は、大きく分けて3つのいずれかの法律で処罰されることがほどんどです。

①古物商許可の有無

理由その1 古物商許可がない古物の販売

電車のチケットは、一度でも人の手に渡ると、たとえ未使用でも古物として扱われます。そして、取引されたことのあるチケットを売り買いするためには、古物商許可を得ていることが必要です。

この法律を根拠に逮捕されるということは、「無許可で金券ショップをやってしまった」と考えるとわかりやすいでしょう。

理由その2 犯罪組織の収入源になる

古物商許可制度の目的と同じく、『犯罪組織が転売を利用して利益を出す』ことを防ぐために適応します。転売は組織ぐるみでやっているケースも多いです。

具体的な逮捕事例
電車のチケットではないですが、ライブチケットの転売で古物商許可違反を適応された事例があります。

人気アイドルグループ嵐のライブチケットを転売して不当な利益を得たとして、香川県に住む女性が古物営業法違反(無許可営業)で逮捕されました。

女性は転売サイトを利用して、嵐のライブチケット5枚を定価よりかなり高額な値段で販売した疑いがあるとのことです。女性は1年以上に渡り何回も転売サイトに出品して、合計で1000万円以上稼いでいた可能性があるそうです。

女性の直接の容疑は嵐のライブチケットを高額で販売したことですが、同じようなことを複数回行っていたため「利益を出す目的で継続して転売していた」と判断され、古物法違反が逮捕理由になったと考えられます。

古物商許可の無許可営業が適応された場合、3年以下の懲役、または100万円以下の罰金が課されることになります。

②迷惑防止条例違反

理由その1 本当に欲しい人が手に入らない

購入目的が、その品物が欲しいからではなく転売して利益を出すことであるため、本当にその品を必要としている人に対して迷惑をかけているという理由で適応されます。

理由その2 ダフ屋行為にあたる

転売目的でチケットを買い、買った値段より高く販売することは、ダフ屋行為とみなされます。
また、例えばホームレスを雇うなどして、大量購入のためにチケット窓口に大勢を並ばせるような行為も含まれます。

具体的な逮捕事例
15年3月で引退した寝台特急「トワイライトエクスプレス」「北斗星」などの切符を転売目的で購入した男が、東京都迷惑防止条例(常習ダフ屋行為)違反の疑いで逮捕されました。

直接の逮捕容疑は、14年12月から1月にかけて、JR品川駅で「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」の特急券5枚を9万5000円で購入し、約27万円で転売したためとされています。

二つの寝台特急は鉄道ファンに人気がとても高く、正規のJR窓口で入手できなかった人達が、ネットオークションで高値で落札していました。

また、容疑者は14年の7月から約9ヶ月間で200万円近い利益を上げたとみられています。そのため、累計金額や継続性から転売目的と判断され、逮捕にいたったようです。

現状、ダフ屋行為を直接取り締まる法律自体はありません。
そこで、各自治体が条例をつくりその中で罰則を適用しています。

皆さんもご存知かもしれませんが、迷惑防止条例の代表例は痴漢行為です。例えば痴漢行為が着衣の中まで行われていた場合には、強制わいせつ罪という法律で処罰されます。

しかし、痴漢行為が着衣の上から行われた場合には法律で処罰することができないため、迷惑防止条例で罰則を適用させているのです。

そして、ダフ屋行為も同様に新たな法律をつくることが難しい犯罪行為であるため、条例で取締っているのです。

そして東京都の迷惑防止条例違反による罰則では、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が課されます。

2009年の時点で、47都道府県中40都道府県の迷惑防止条例でダフ屋行為は禁止されていて、刑事罰の対象にもなっています。また、ダフ屋行為を処罰する条例を制定していない7県でも、物価統制令や特定商取引法への抵触を根拠に取り締まりを行っている場合があります。

つまり、日本全国どこを拠点として転売を行っても、取り締まる罰則が存在します

一方で、転売によって得られる多額の利益に比べれば軽微な罰則であるため、高額転売を抑止するには不十分との声も上がっています。

③詐欺罪

通常は①古物商営業許可の有無もしくは②迷惑防止条例違反を適応されますが、さらに悪質だと判断された場合は、詐欺罪での逮捕となります。

具体的な逮捕事例
17年9月、人気バンドのライブの電子チケットを転売目的で取得した男性に対して、神戸地裁が詐欺罪で懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡しました。運営側の転売対策として、申込者本人のスマホに電子チケットを送付していましたが、スマホごと貸し出すなど悪質な手口だったこともあり、初犯にも関わらず重い判決が下されました。

詐欺罪を適応して犯罪として取り締まったこと、かなり重い判決が下されたこと、この2点により、画期的な判例と言われています。この判決により、今後ますます転売が厳しい処罰の対象とされることが予想されます。

ダフ屋と金券ショップの違いはなに?

上の章で、古物商許可がない古物の販売とは、「無許可で金券ショップをやってしまった」と考えるとわかりやすいとお伝えしました。

では、古物商としての許可を取得していたら、チケットの転売は問題ないのでしょうか。
古物商許可を取得している金券ショップと、許可を得ていないダフ屋の違いを検証してみましょう。

ダフ屋と金券ショップの違い

【ダフ屋】許可を得ずに公共の場(インターネット)で販売をしている

ダフ屋は、不当な買い占め、価格のつり上げ、付きまとい、押し売りなどが問題となるので迷惑防止条例で規制がされています。

【金券ショップ】古物商許可を取得している

金券ショップは古物商許可を取得しかつ法律を守って新幹線のチケットや特急券、映画のチケットなどを販売したり、販売を委託されたりします。

※ただし、転売が深刻化している人気アーティストのライブチケットや記念列車のチケットなどは、取り扱わない金券ショップが多いです。理由は、チケットが合法的に購入されたものか判断がつきにくく、買取りのリスクが高いためです。

ダフ屋と金券ショップの違いは、法律を守り、プロとして古物(チケット類)の販売をしているかどうかです。

大手チケットサイトのダフ屋行為

大手チケットサーピスシステム「チケットキャンプ」の突然の営業停止がご記憶にある方も多いのではないでしょうか。

チケットキャンプを経営していたフンザが転売業者をVIPと呼ぶなどして手数料を無料にしていたことが発覚、17年12月末に転売を助長させたとして家宅捜索を受けました。

そのことを受け、親会社のミクシィはチケットキャンプを18年5月末で閉鎖しました。

フンザの元社長と大阪市の転売業者の男3人は、詐欺容疑で京都府警に書類送検されています。

【チケットキャンプWEB】チケットキャンプのサービス終了につきまして

おわりに

電車のチケットのインターネットオークション出品について、転売だとみなされる判断基準と、転売を行った場合にどのような法律や条例が適応されるか、おわかりいただけたでしょうか。

ご自身が使うつもりだった電車のチケットを、やむを得ずにオークションに出品することは転売ではないので、ご安心ください。ただし、ご自身のために記念列車のチケットなどを購入する際に、余分な枚数を購入してその分をオークションに出すのは転売です。

転売を稼ぎやすい副業のようにほのめかす、いわゆる「まとめサイト」なども多く存在しますが、安易にお小遣いかせぎのような気持ちでやったことで、ご自身の社会的信用を失いかねません。転売目的でのチケット転売には、くれぐれも手を出さないことをおすすめいたします。

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