会社分割では古物商許可を引き継げる?

この記事はトラスト行政書士事務所が監修しています

2020年4月1日古物営業法が全面改正されました。そのため記事の内容に一部古い情報がある場合があります。詳しくは【2020年4月1日全面施行】古物営業法が改正されましたをご覧ください。

古物商許可を持っている会社が、会社分割(新設分割)をした場合、新しくできた会社に古物商許可を引き継ぐことはできません

新会社でも古物ビジネスを行うには、新会社で新たに古物商許可を取らないといけません。

僕の会社の古物商事業を切り離して新会社をつくるんだけど、今ある許可は使えないのか…

そういうことじゃ。あらためて、新会社で古物商許可を取る必要がある。

古物商法人が会社分割をする際のことを、詳しく解説しましょう。

新会社に古物商許可は引き継げない

古物商許可を持っている会社が、会社分割(新設分割)をした場合、新しくできた会社に古物商許可を引き継ぐことはできません

本題に入る前に、会社分割とは何か、簡単に説明しよう。

会社分割(新設分割)とは、今ある会社の事業の一部を切り離して、切り離した事業で新しい会社をつくることです。

会社分割(新設分割)は、会社の中で業績の悪い事業を切り離すためになどに行います。

では、本題じゃ。

古物商許可を持っている会社が、会社分割(新設分割)をした場合、新しくできた会社に古物商許可を引き継ぐことはできません。

なぜかと言うと、会社分割(新設分割)によってできた新会社は、元の会社とは、まったく別の会社だからです。

法人の古物商許可は、会社単位で与えられるものです。

古物商許可を持ったA社が会社分割(新設分割)をしてできた、新会社Bは、元々A社だったとはいえ、登記上はA社とはまったく別の会社です。

古物商許可は、あくまでA社に与えられたものです。

B社が、A社に関係のある会社だからといって、B社にも古物商許可が与えられるわけではないのです。

そっか~。

B社で古物ビジネスを行えるようにするには、B社で新たに古物商許可を申請して、古物商許可を取る必要があります。

吸収分割でも古物商許可は引き継げない

会社分割は、大きく分けて2種類あります。

先述した、今ある会社の事業の一部を切り離して、切り離した事業で新しい会社をつくる方法の会社分割を、新設分割といいます。

そして、もう一つの会社分割の方法が、吸収分割というものです。

吸収分割は、今ある会社の事業の一部を切り離して、すでにある別の会社に引き継がせることです。

吸収分割は、同じ事業を行っている別の会社と協力して、その事業の規模を大きくするためなどに行います。

そういう方法もあるんだね。

古物商許可を持っている会社が吸収分割する場合も、新設分割と同じく、吸収先の会社に古物商許可を引き継ぐことはできません。

吸収先の会社で古物ビジネスを行えるようにするには、吸収先の会社で新たに古物商許可を申請して、古物商許可を取る必要があります。

吸収分割の場合、吸収先の会社でも古物ビジネスを行える可能性がないわけではないぞ。

吸収分割後、古物商許可を取り直さなくても古物ビジネスを行える可能性がある

古物商許可を持った会社が吸収分割して、古物ビジネス事業を別の会社に引き継ぐとき、吸収先の会社が元々、古物商許可を持っていれば、吸収先の会社でも古物ビジネスを行うことができます。

例えば、最近流行りのM&Aにより、売上げアップや、市場シェアを獲得するケースがあります。

ただ、それはあくまで、吸収先の会社が持っていた古物商許可によって、古物ビジネスを行うわけであって、吸収前の会社が持っていた古物商許可を引き継いだわけではありません。

なので、吸収前とまったく同じ取引ができるとは限りません

なぜかと言うと、吸収前の会社の古物商許可と、吸収先の会社の古物商許可で、扱うことのできる品目が異なる場合があるからです。

古物商許可を取るときには、扱う品目を選ぶじゃろ。

古物商は、基本的に、古物商許可申請のときに選んだ品目の古物しか、取引することができません。

申請で選ばなかった品目の古物を取引することもできますが、取引から14日以内に、品目を追加する変更届出を出す必要があります。

例えば、機械工具類の品目で古物商許可を取ったA社が、古物ビジネス事業を切り離して、自動車の品目で古物商許可を取っているB社に、吸収分割したとしましょう。

そのようなとき、吸収分割後のB社では、自動車の品目を扱うことはできますが、吸収前にA社で扱っていた機械工具類の品目は、扱うことができません。

B社でも機械工具類の品目を扱えるようにするには、B社で、機械工具類の品目を追加する手続きを取らなくてはいけません

そうなのか~。

古物商許可で扱う品目を追加するには、変更届出という届出を出して行います。

届出用紙に必要事項を書いて、古物商許可を受けている警察署に提出するだけで、扱う品目を追加できます。

手数料はかかりません。

届出用紙は、警察署の窓口でもらうか、各都道府県警察のホームページからダウンロードすれば手に入ります。

一部、ダウンロードできない都道府県もあります。

変更届出の詳しい方法は、【古物商】変更届出・許可証の書き換え手続き完全マニュアルをご覧ください。

会社分割で設立中の会社でも古物商許可を取ることができる

会社分割(新設分割)をしてできる新会社で、古物ビジネスを行いたいとき、新会社がまだ設立中であっても、新会社の古物商許可を取ることができます。

えっ!?まだ誕生していない会社で古物商許可を取れるの!

会社分割(新設分割)で設立する新会社が、設立してすぐに古物ビジネスを始められるように、新会社がまだ設立中でも、古物商許可を申請してもいいとされています。

このことは、古物商許可を取り締まる法律、古物営業法に明文化されているわけではありません。

会社の設立などについてまとめた法律、会社法を用いての解釈になります。

実際、このような手続きで申請したケースは少なく、審査も時間がかかるのでオススメはできません。

かなり特殊な申請となるので、専門家を交えて対策を立てる必要があるでしょう。

会社法では、設立中の会社と、成立した会社は実質的に同じものであって、設立中の会社の法律関係は、そのまま成立した会社の法律関係になるとしています。

ちょっと難しいが、会社が設立中でも、設立されたあとも、同じ扱いだと理解すればよい。

法人の古物商許可の申請では、会社の定款と、登記事項証明書が必要になります。

定款は、会社分割(新設分割)をする元の会社が、正式に作成したものであれば問題ありません。

登記事項証明書は、会社の登記が済んでいないと取り寄せることができない書類なので、設立中の会社の登記事項証明書は用意することができません

じゃぁ、どうするの?

登記事項証明書は、申請する法人がどんな会社かを確認するための書類なので、それに代わる書類を提出すれば、問題ないと解釈することができます。

例えば、会社分割(新設分割)で設立中の会社のことと、会社分割(新設分割)の計画を確認できる書類などが、登記事項証明書の代わりになる書類です。

具体的には、このような書類が登記事項証明書の代わりになります。

  • 会社分割(新設分割)する会社の取締役会議の議事録の写し
  • 会社分割の計画書に対する株主総会の承認に関する議事録の写し

設立中の会社で古物商許可を申請するときに注意することは、まだまだあるぞ。

設立中の会社で古物商許可を申請するときは、申請書の『氏名又は名称』の欄に、会社名をそのまま書かずに、『株式会社〇〇(設立中)』などと書きます。

このように申請して許可が下りると、古物商許可証にも、『株式会社〇〇(設立中)』と記載されます。

会社の設立の手続きが済んだら、古物商許可を受けた警察署に新会社の登記事項証明書を提出して、申請どおりに会社が設立されたかを確認してもらいます。

確認してもらったら、古物商許可証の記載を『株式会社〇〇(設立中)』から『株式会社〇〇』に書き直してもらうために、書換申請という手続きをします。

書換申請は、先述した変更届出と同じ届出用紙を使って行う手続きです。

届出用紙に必要事項を書いて、古物商許可を受けている警察署に提出することで手続きできます。

変更届出と違って、書換申請には1500円の手数料がかかります。

書換申請の詳しい方法は、【古物商】変更届出・許可証の書き換え手続き完全マニュアルをご覧ください。

会社分割後、元の会社の古物商許可は返納する

会社の古物ビジネス事業を会社分割して、古物ビジネス事業をになう新会社を設立したり、別の会社に古物ビジネス事業を引き継ぐ場合、元の会社では今後、古物ビジネスは行わないことになります。

そのようなとき、元の会社は、分割前に古物商許可を取っているので、分割後も古物商許可を引き続き持っている状態になります。

古物商許可には、許可を持っていても営業しないのなら、返納しなければならないというルールがあります。

えっ!?そんなルールがあったの!

具体的には、古物商許可を持っていても6ヶ月間、営業することがなければ、古物商許可を返納しないといけません。

会社分割後も元の会社が古物商許可を持ったままでいて、古物ビジネスを行わないのなら、すみやかに返納しないと、10万円以下の罰金を科せられる可能性があるので注意しましょう。

株式譲渡なら古物商許可を引き継がせられる

会社分割後に、新会社や、事業を引き継がせた会社で、分割前に行っていた古物ビジネスを行いたい場合は、古物商許可をあらためて取る必要があるので、手間がかかります。

会社分割は、会社の業績の悪い事業を切り離して、経営を立て直すときなどに行うものです。

別の経営再建の方法をとれば、古物商許可を取り直すことなく、再建後も引き続き古物ビジネスを行えることもあります。

そうなの!?

例えば、株式譲渡を行う方法です。

会社が株式会社であれば、株式譲渡を行うことができます。

株式譲渡とは、会社の株を別の会社や個人に買い取ってもらって、会社の経営権を、買い取ってくれた会社や個人にゆずる手続きです。

株式譲渡を行うと、株主が変わるだけで、その他のことは特に変えることなく、今まで通り会社を残していくことができます。

株式譲渡前と変わらずに、古物商許可を維持したまま古物ビジネスを行うこともできます

ただ、株式譲渡は、会社を丸ごと別の会社に引き継がせるので、会社の債務(借金などのこと)なども引き継がせることになります。

なので、事前に会社をゆずる側と、ゆずり受ける側でよく話し合ってから、手続きを進めることが大事です。

株式譲渡を行ったあとに、帳簿にもれていた予期せぬ債務が発覚したりすると、トラブルになる可能性もあります。

会社の経営再建の方法は、会社分割や株式譲渡の他にも、いろいろあります。

どの方法で行うかは、メリット、デメリットをよく考えて決めましょう。

法人の古物商許可は行政書士におまかせ

古物商許可を持っている会社が、会社分割(新設分割)をした場合、新しくできた会社に古物商許可を引き継ぐことはできません。

新会社でも古物ビジネスを行うには、新会社で新たに古物商許可を取ることになります。

法人の古物商許可を申請するのは、手間がかかるんじゃよな。

そうそう、うちの会社が許可を取るときも、すごく時間がかかったよ。

法人の古物商許可は、申請に必要な書類が、個人の古物商許可よりもどうしても多くなります。

なぜなら、役員の証明書類も必要だからです。

しかも、役員の証明書類は、役員の人数分、すべてそろえないといけません。

また、監査役も役員にふくまれます。

なので、役員、監査役が多くなればなるほど、手続きに手間がかかります。

また、役員、監査役全員が、欠格要件(古物商許可を取れない要件)に当てはまらないことも申請の条件なので、個人の古物商許可よりも取得へのハードルが高いです。

そして、会社に与える許可なので、会社の定款に、登記事項証明書と、個人の古物商許可では使わない書類も必要です。

このような手間のかかる申請は、行政書士を活用すると楽になります。

行政書士は、どんなに役員が多い会社でも、会社に代わって必要な書類を集めてきてくれます。

そして、欠格要件に当てはまる役員がいる場合でも、解決策をアドバイスすることができます。

行政書士はプロなので、そろえた書類に不備が見つかることもありません。

なので、最短期間で古物商許可を取ることができます。

行政書士に任せている間は、特に何もしなくていいので、会社の業務に専念することができます。

うちの会社も行政書士にお世話になったよ。ホント楽に許可が取れるからオススメだね。

会社分割では古物商許可を引き継げる? まとめ

古物商許可を持っている会社が会社分割(新設分割)して、古物ビジネス事業の新会社をつくるとき、新会社に古物商許可を引き継がせることはできません

新会社で古物ビジネスを行うには、新会社で新たに古物商許可を取らないといけません

吸収分割の場合、事業を引き継ぐ会社が元々、古物商許可を取っていれば、新たに古物商許可を取る必要はありません

ただ、元の会社の古物商許可と、事業を引き継いだ会社の古物商許可は別ものなので、許可の内容が異なる場合があります。

会社分割前と同じ事業を行いたいなら、変更届出が必要です。

会社分割で新会社をつくる場合、新会社が設立中でも古物商許可を取ることができます

古物商許可を持っている会社が会社分割したあと、元の会社で古物ビジネスを行わない場合、元の会社の古物商許可は返納しなければなりません。

株式譲渡で会社の経営権をゆずった場合、古物商許可も引き継ぐことができます

法人の古物商許可の申請は手間がかかるので、行政書士にまかせるのがオススメです。

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