東京オリンピックのチケットを転売するのは違法?

この記事はトラスト行政書士事務所が監修しています

2019年6月14日に「チケット不正転売禁止法」が施行されました。そのためこの記事に古い情報が含まれている場合があります。詳しくは「チケット不正転売禁止法とは?」をご覧ください。

いよいよ来年、東京オリンピックが開催されます。

世界中が注目するイベントなので、東京オリンピックのチケットを手に入れることは簡単ではありません。

プレミア性の高いチケットですから、転売したらお金儲けができると考える人もいるでしょう。

ですが、東京オリンピックのチケットを転売して稼ぐ行為は違法となります。

東京オリンピックのチケットを”不正に”転売することは違法

東京オリンピックのチケットを転売する行為は、必ずしも違法となるわけではありません。

違法となるかどうかの分かれ目は、“不正に”転売するかどうかです。

東京オリンピックのチケットを不正に転売する行為は、チケット不正転売禁止法という法律に違反します。

逆に、正しい方法で転売した場合、違法とはなりません。

では、どのような転売が『不正な転売』となるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

営利目的のチケット類の転売は不正転売となる

東京オリンピックのチケットを不正に転売する行為は、チケット不正転売禁止法に違反します。
では、『不正な転売』とはどのような転売なのでしょうか。

そもそも、転売って?

転売とは、自分が買ったものを他に売り渡すことです。

  • 自分で買って使っていた家電を、要らなくなったのでリサイクルショップに売る。
  • 自分で買って着ていた洋服を、要らなくなったのでフリマアプリに出品する。

上記に挙げたような行為が転売です。
このような行為は、誰でも気軽に行っていることからも分かるように、違法ではありません。

転売自体は違法ではないのね。

不正転売とは、営利目的の転売のことです。
実は、不正転売という概念は、今のところチケット類にしかありません。

どういうこと?

ものを安く買って高く売れば、差額分の利益を得ることができます。
中古品を安く買って高く転売する古物商というビジネスもあります。
古物商が行うことは営利目的の転売ですが、違法ではありません。

ものを安く買って高く売るという行為は、古物商に限らず商売の基本です。
それを禁止してまったら経済が破綻してしまいますので、営利目的の転売は基本、禁止されていません。

でも、チケット類だけは、営利目的の転売をチケット不正転売禁止法で規制しているのです

どうして~?

その理由を、詳しく見ていきましょう。

チケット類だけ営利目的の転売を禁止しているのは、ダフ屋行為が問題になっているから

チケット類だけ、営利目的の転売を法律で禁止している理由は、ダフ屋行為がはびこり社会問題になっていることにあります。

ダフ屋行為って?

ダフ屋行為とは、コンサートや乗り物などのチケットを、公共の場所で人に迷惑がかかるかたちで、営利目的で転売したり、転売のために仕入れる行為です。
具体的には以下のような行為があります。

  • コンサート、娯楽施設、乗り物のチケットを転売目的で買って、法外な値段で売る。
  • コンサート、娯楽施設、乗り物のチケットを大量に買い占めたり、そのために人を雇って並ばせる。
  • コンサート、娯楽施設、乗り物のチケットを、公共の場所でうろついたり、つきまとったり、呼びかけたりして転売する。

ダフ屋行為がはびこれば、コンサートなどに本当に行きたい人がチケットを手に入れることが困難になります。

どうしても行きたい人は、ダフ屋が提示する法外な値段を払ってでもチケットを手に入れようとするため、犯罪でありながら需要と供給が一致するという悪循環が生まれ、被害は広がるばかりです。

それはひどい行為ね。撲滅しなきゃ!

ダフ屋行為を取り締まるために、チケット不正転売禁止法が作られました。

実は、チケット不正転売禁止法は、できたばかりの新しい法律です。

チケット不正転売禁止法ができる以前も、ダフ屋行為は取り締まられていましたが、問題点がありました。
そのあたりを次の章で詳しく解説します。

ちなみに、人に迷惑がかかる営利目的の転売がなされているものはチケット類だけではありません。

注目されているゲーム機を発売直後に買い占めて、高い値段で転売する行為なども行われており、このような転売はチケット類以外にも問題になっています。

ですが、どんな転売がOKかという線引きを細かく定めるのは難しいので、今のところチケット類だけを営利目的の転売の規制対象としています。

迷惑な転売が早くなくなるといいね

ダフ屋行為の取り締まりを強化するため、チケット不正転売禁止法が作られた

チケット不正転売禁止法ができる以前から、ダフ屋行為は取り締まられていましたが、似たような法律があるわけではありませんでした。

代わりに、各都道府県が定める迷惑防止条例の中でダフ屋行為を禁止していました。

迷惑防止条例は全都道府県にありますが、青森、鳥取、山口、宮崎、鹿児島、沖縄の迷惑防止条例では、ダフ屋行為の禁止は盛り込まれていません。

しかし、ダフ屋行為を完全に取り締まることは困難で、特に、インターネット上のダフ屋行為を取り締まることはできませんでした。

インターネット上のダフ屋行為を取り締まれなかった理由には、法律の解釈の壁があります。

前章の解説にあったように、ダフ屋行為とは、迷惑なチケットの転売を“公共の場所”で行うことです。

過去の判例では、インターネット上は公共の場所には該当しないとされているのです。

そのため、これまでインターネット上のダフ屋行為は直接検挙できないので、別件で検挙する方法をとったりすることで、どうにか取り締まっていました。

ダフ屋行為を取り締まるのはなかなか大変なのね…

この問題を解決するべく、チケット不正転売禁止法が作られ、2018年12月に公布されました。

チケット不正転売禁止法は2019年6月14日に施行されました。

チケット不正転売禁止法という名前は通称で、正式には『特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律』といいます。

『入場券不正転売禁止法』、『入場券転売禁止法』などの呼び方もあります。

チケット不正転売禁止法では、これまで取り締まることのできなかった、インターネット上のダフ屋行為も取り締まりの対象としています。

画期的な法律ができたんだね!

それでは、チケット不正転売禁止法がどのような法律なのかを詳しく見ていきましょう。

チケット不正転売禁止法はこんな法律

チケット不正転売禁止法はその名の通り、チケットの不正転売を禁止する法律です。

チケット不正転売禁止法では、全てのチケットの不正転売を禁止しているわけではありません。

規制の対象となるチケット

チケット不正転売禁止法で規制の対象となるチケットは、

日本国内で開催される、映画、演劇、演芸、音楽、舞踏、その他芸術、芸能またはスポーツを不特定多数に見せ、聴かせる興行

です。

更に、上記に当てはまるチケットが次の条件を全て満たしている必要があります。

  • 興行の日時、場所と、座席または入場資格者が指定されているチケットであること

興行主や、チケット販売業者がチケットを販売するときに、

  • 有償譲渡(利益をもらってチケットを譲る)の禁止を説明していること
  • 入場できる人の氏名、連絡先を確認する手続きをとっていること

そして、チケットの券面に

  • 有償譲渡(利益をもらってチケットを譲る)の禁止を説明しましたという旨
  • 入場できる人の氏名、連絡先を確認する手続きをとりましたという旨

が表示されていること

これらの条件に当てはまるチケットなら、QRコードなどの電子チケットでも規制の対象となります。

東京オリンピックのチケットも、上記の条件を満たしているので、チケット不正転売禁止法の規制対象です。

ちなみに、各都道府県の迷惑防止条例で規制していたダフ屋行為では、娯楽施設乗り物のチケットも対象としていましたが、チケット不正転売禁止法では上記のように興行のチケットだけとなっています。

今後、興行以外のチケットも規制されるかもしれないわね。

禁止されている行為

チケット不正転売禁止法で取り締まる不正転売とは、ここまでの解説にあったように、営利目的の転売です。

ですので、対象のチケットを定価で転売、定価以下で転売、タダで譲ることは禁止していません。

チケットを転売して得る対価は現金だけに限られているわけではありません

チケットを譲るのと引き換えに、チケットより高価な物をもらうといった場合でも、違反となる可能性があります。

へぇ~そうなんだ!

チケット不正転売禁止法では、
転売を興行主の許可なく”業として”行うことを禁止する
としています。

『業(ぎょう)として』とは法律用語で、法律によって解釈が異なる言葉です。
チケット不正転売禁止法での意味合いとしては、『営利目的の転売を反復、継続する意思をもって』ということになります。

つまり、『急な用事が入って観に行けなくなったので転売する』といった例だと、反復、継続する意思はなかったと判断されて、罰せられる可能性は低いです。

ですが、たとえ一回しか転売していなくても、『何十枚もまとめて転売する』といったような例だと、営利目的の転売だと受け取られて、罰せられる可能性が高いです。

また、禁止している行為は転売だけではありません。

業としての転売を行うために、仕入れをすることも禁止しています。

違反した場合の罰則

チケット不正転売禁止法で規制の対象となっているチケットを、不正に転売したり、そのための仕入れを行った場合、違反となります。

違反となった場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくは両方が科せられる可能性があります。

結構、重い罰則があるのね!

チケットを止むを得ず転売する場合は、転売方法に注意する

前章で、『急な用事が入って観に行けなくなったので転売する』といった例だと罰せられる可能性は低いと解説しました。

ですが、転売方法に気をつける必要があります。

チケットの多くは、無断で転売することを禁止しています。

無断転売を禁止しているチケットの転売は、各チケット販売業者が行っているリセールサービスや、チケットぴあと音楽業界が協力して立ち上げたリセールサービス『チケトレ』などを利用すれば可能です。

リセールサービスって?

リセールサービスとは、チケットを手放したい人と、チケットを欲しい人の間に業者が入って、公式にチケットの転売を行うサービスです。
定価での出品が義務付けられているので、営利目的の転売はできない仕組みになっています。

東京オリンピックのチケットの販売をする公式サイトでは、2019年5月現在、抽選申込み期間中ですが、チケットの発送が開始される頃に、公式リセールサービスを行うと発表しています。

東京オリンピックのチケットの転売は、この公式リセールサービスでしか行うことができませんので、それ以外の方法で転売すると違法となる可能性があります

東京オリンピック公式リセールサービスの詳細はまだ発表されていませんが、各チケット販売業者が行っているようなリセールサービスと同様のものになると思われます。

また、東京オリンピックのチケットを販売する公式サイトの規約には、購入者の親族または友人、同僚その他の知人に対する場合に限っては、リセールサービスを利用せずにチケットと譲渡してもいいと書かれています。
その場合、チケットの購入価格以上の利益をもらってはならないとしています。

チケットを止むを得ず転売するときは、転売方法に注意しましょう。

東京オリンピックのチケットを転売するのは違法? まとめ

東京オリンピックのチケットを不正に転売すれば違法となります

不正な転売とは、営利目的の転売です。

チケット類を営利目的で転売する行為は、チケット不正転売禁止法という法律に違反します。

そのため、東京オリンピックのチケットを営利目的で転売すれば違法となります。

都合が悪くなって東京オリンピックのチケットを止むを得ず転売したいときは、公式リセールサービスを利用すれば違法とならずに転売することができます。

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