金属スクラップを買い取って転売する場合に古物商許可は必要?

この記事はトラスト行政書士事務所が監修しています

2020年4月1日古物営業法が全面改正されました。そのため記事の内容に一部古い情報がある場合があります。詳しくは【2020年4月1日全面施行】古物営業法が改正されましたをご覧ください。

金属スクラップを買い取って転売するのに、古物商許可は不要です。

ただし、地域によっては、金属くず商許可が必要です。
 

中古品の買い取りって古物商許可が必要でしょ?金属スクラップを買い取るときも必要なの?

古物商許可は不要じゃな。でも、金属くず商許可が必要になることもあるぞ。

金属スクラップを買い取って転売するための許可について、詳しく解説しましょう。

金属スクラップを買い取って転売するのに古物商許可は不要

金属スクラップを買い取って転売するのに、古物商許可は不要です。

実は、どんな物でも買い取りに古物商許可が必要なわけではなくて、金属スクラップの買い取りは、古物商許可の対象ではないのです。

古物商許可について、詳しく解説しましょう。

古物商許可は中古品を転売目的で買い取るための許可

古物商許可とは、中古品を転売目的で買い取るための許可です。

そのため、中古車屋など、中古品を買い取って転売(販売)するビジネスを行うには、古物商許可を取らないといけません。

ちなみに、古物商許可は、中古品を転売するときに必要な許可ではなく、転売する中古品を仕入れる(買い取る)ときに必要な許可です。

『無許可で転売して逮捕』

『無許可の転売は違法』

といった、ネット記事の見出しを見ることがありますが、厳密には、転売する中古品を無許可で仕入れることが違法となります。

じゃぁ、金属スクラップを転売目的で買い取るのにも、古物商許可が必要じゃ…?

それがな、金属スクラップは、対象ではないんじゃよ。

金属スクラップは古物ではないので買い取りに古物商許可は不要

金属スクラップを転売目的で買い取るのに、古物商許可は不要です。

実は、どんな中古品でも、転売目的で買い取るのに古物商許可が必要というわけではありません。

転売目的で買い取るのに、古物商許可が必要な中古品のことを、古物と呼びます。

古物ではない物は、古物商許可がなくても、転売目的で買い取ることができるのです。

そうなんだ!

古物商許可のルールを定めている、古物営業法という法律では、『古物ではない物』が何かを定めていて、金属スクラップは、『古物ではない物』に当てはまります。

なので、金属スクラップを転売目的で買い取るのに、古物商許可は不要なのです。

古物ではない物って、どんな物なの?

古物ではない物

古物営業法で定めている『古物ではない物』は、次のような物です。

古物ではない物

  • 廃品(金属スクラップ、空き缶、繊維くず、古新聞、被覆のない銅線類、など)
  • 航空機
  • 鉄道車両
  • 1トンをこえる機械で、土地や建物に固定されているもの
  • 20トン以上の船舶(せんぱく)
  • 船舶以外の5トンをこえる機械で、自走または牽引(けんいん)できないもの
  • 大きな庭石や石灯籠

このような、古物ではない物は、古物商許可を取らずに転売目的で買い取っても、違法ではありません。

紹介されている物は、なんで古物じゃないんだろう?

古物商許可の目的が、盗品の被害を防ぐことだからなんじゃよ。

金属スクラップは盗まれる可能性が低いから古物ではない

中古品を販売するお店には、泥棒が盗品を売りに来るかもしれません。

そのようなことが起こって、盗品が市場に出回るのを防ぐために、古物商許可の制度はつくられました。

そのため、盗まれる可能性の低い中古品は、古物から除外しています。

金属スクラップをはじめとした廃品類は、それ自体に使いみちがないので、盗まれる可能性は低いと判断されて、古物から除外されているのです。

また、航空機など、大きすぎて盗むのが難しい物も、盗まれる可能性が低いとして、古物から除外されています。

なるほど~。でも、金属スクラップってリサイクルできるから、使いみちあるじゃん。

そうじゃな。今では、盗難が起きることもあるぐらいじゃ。

古物商許可の制度が作られたのは、1949年(昭和24年)です。

その頃、金属スクラップは、盗まれる可能性が低い物だったので、古物から除外されました。

でも、高度経済成長期(1954年~1970年ごろ)に入ると、鉄鋼業が盛んになって、鉄製品の原料に再利用することができる金属スクラップが、価値のある物に変わっていったのです。

それまで、盗まれる可能性が低いとされてきた金属スクラップが、盗まれるような事件も起きるようになったので、金属くず商許可という、新しい許可がつくられました。

金属スクラップの買い取りには金属くず商許可が必要

金属くず商許可とは、金属スクラップを転売目的で買い取るための許可です。

古物商許可の、金属スクラップ版といったところじゃな。

金属スクラップを転売目的で買い取るのに、古物商許可は不要ですが、金属くず商許可が必要となります。

なんだよ~。結局、許可が必要なんじゃん。最初からそう言ってよ~。

それがな、金属くず商許可が絶対に必要とは限らないんじゃよ。

実は、金属くず商許可のルールは、都道府県によって異なります。

金属くず商許可については、次の章で詳しく解説しましょう。

金属スクラップを買い取って転売するには金属くず商許可が必要な場合がある

都道府県によっては、金属スクラップを転売目的で買い取るのに、金属くず商許可が必要です。

金属くず商許可について、詳しく解説しましょう。

金属くずを転売目的で買い取るための許可

金属くず商許可は、金属スクラップや、壊れたエアコンの配管など、本来の用途では再利用することのできない金属くずを、転売目的で買い取るための許可です。

金属くずにあたる物は、次のような物があります。

  • 金属スクラップ(鉄、アルミ、ステンレス、銅など)
  • エアコンの配管
  • 銅線類
  • アルミサッシ
  • ラジエーター
  • コンプレッサー

このような、金属で作られた部品は、壊れて使い物にならなくても、金属の種類ごとに分解して、粉々にすることで、金属を作る材料に生まれ変わります。

金属くずは製鉄業者に転売できるから、一見ガラクタでも、買い取る価値があるんじゃな。

全国共通の許可ではない

実は、金属くず商許可は、16道府県にしか存在しない許可です。

古物商許可は、古物営業法という法律のもとにある許可なので、日本全国、同じルールで運用されています。

一方、金属くず商許可は、都道府県の条例でのもとにある許可です。

条例が定められている県にしか、金属くず商許可は存在しないため、金属スクラップを転売目的で買い取るのに、金属くず商許可が必要な県もあれば、不要な県もあるのです。

えっ!?そうなの!

金属スクラップを転売目的で買い取るのに、金属くず商許可が必要な県はこれじゃ。

金属くず商許可が必要な県
北海道、茨城、長野、静岡、福井、岐阜、大阪、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、広島、岡山、島根、山口、徳島

ちなみに、金属くず商許可は、地域によって名称や、許認可の区分が異なります。

各県での名称と区分
金属くず回収業許可…北海道
金属くず商許可…茨城、長野、静岡、福井、兵庫、和歌山
使用済金属類営業許可岐阜
金属くず業許可大阪、奈良
金属屑商許可滋賀
金属くず類回収業許可山口
金属屑業届出広島
金属くず商届出岡山、島根 
金属くず商営業届出徳島

『許可』の場合、申請に手数料がかかり(2000円~12800円)、『届出』の場合、手数料はかかりません。

営業所以外の場所で買い取るときは金属くず行商届出が必要

金属くず商許可の条例がある県には、金属くず行商届出という許可(届出)もあります。

金属くず商許可は、厳密に言うと、“営業所で”金属くずを転売目的で買い取るための許可です。

つまり、金属くず商許可を取っていても、自分のお店に持ちこまれた金属くずしか、買い取れないのです。

例えば、取り壊すことになった工場に出向いて、金属くずを買い取るようなときは、金属くず行商届出という届出を出さないといけません。

自分のお店以外の場所で、金属くずを買い取るなら、金属くず行商届出が必要なんじゃ。

金属くず商許可の許認可の区分は、多くの県で『許可』となっていますが、金属くず行商届出は、ほとんどの県で『届出』となっています。
(※岐阜県のみ、どちらも『許可』です)

ちなみに、古物商の用語でも、営業所以外の場所で中古品を買い取ることを、行商といいます。

古物商の場合、行商のために別の許可(届出)が必要になることはなく、古物商許可さえあれば営業所での買い取りも、行商も、両方行うことができます。
(※許可内容が『行商しない』だと、行商はできません)

古物商許可を取っておけば金属スクラップを買い取るビジネスの幅が広がる

金属くず商許可の条例が定められている県でも、定められていない県でも、金属スクラップを買い取って転売するのに、古物商許可を取る必要はありません。

ですが、古物商許可を取っておくと、金属スクラップを買い取るビジネスの幅が広がるので、お得です。

どんな風にお得なの?

金属スクラップを買い取るビジネスでは、基本的に、金属の原材料として再利用する金属スクラップを買い取りますが、そのまま再利用できる金属製品が手に入ることもあります。

例えば、工作機械や、オフィスで使うスチールデスク、ロッカーなどです。

こういった金属製品は、状態が悪ければ、解体して金属の原材料にできますし、状態が良ければ、そのままの用途で転売できます。

ただし、そのままの用途で転売するために買い取るとなると、古物商許可が必要となります。

そのまま使える工作機械や、スチールデスクは、古物にあたるからです。

古物を転売目的で買い取るには、古物商許可が必要じゃからな。

古物商許可を取っておけば、金属スクラップも、古物として転売できる金属製品も、両方買い取れるようになるので、お得なのです。
 

産業廃棄物収集運搬業許可もあわせて取るといい

金属スクラップを買い取る業者は、金属くず商許可や、古物商許可の他に、産業廃棄物収集運搬業許可という許可を取っていることも多いです。

また、産業廃棄物収集運搬業許可がない場合でも、許可を取っている業者と業務提携していることが多いです。

産業廃棄物収集運搬業許可は、どういう許可なの?

産業廃棄物収集運搬業許可とは、事業者から出た廃棄物を収集、運搬するための許可です。

鉄を加工する工場では、鉄くずなどの廃棄物が出たり、木材を加工する工場だと、木くずなどの廃棄物が出たりします。

そのように事業から出た廃棄物は、勝手に捨ててはいけないと、法律で決められています。

勝手に捨てることを許してしまうと、不法投棄されるおそれもあるので、それを防ぐために、廃棄物の回収は、許可を取っている業者にだけできるようになっているのです。

そうだったのか!

古物商許可や、金属くず商許可を取っている業者が買い取る物は、買い取ったあと転売するので、再利用できる価値のある物です。

一方、産業廃棄物収集運搬業許可を取っている業者が回収する物は、廃棄物なので、処分するしかない価値のない物です。

買い取り(回収)業者は、両方の許可を取っておくと、価値のある物、価値のない物、両方の買い取り(回収)ができるので、何かと便利なのです。

例えば、金属くず商許可や、古物商許可だけ取っている業者が、金属を買い取ってほしい人のところに査定に行ったとしましょう。

査定の結果、再利用が難しい金属だった場合、業者は、買い取っても損をするだけなので、何も買い取らずに帰ることになってしまうでしょう。

でも、この業者が、産業廃棄物収集運搬業許可も取っていたら、廃棄物として回収して、回収料で利益を得ることができます。

なるほど~。

古物商許可・金属くず商許可の申請には行政書士がオススメ

金属くず商許可の条例がある地域で、金属くず商許可を取らずに、金属スクラップを転売目的で買い取ると、逮捕される可能性があります。

また、古物商許可を取らずに、古物として扱える金属製品を転売目的で買い取ると、逮捕される可能性があります。

逮捕されたくなければ、きちんと許可を取ってから営業するんじゃ。

金属くず商許可や、古物商許可って、どうやって取るの?

金属くず商許可も、古物商許可も、書類を警察署に提出して、審査に通るともらえる許可です。

書類を提出するだけなら、簡単に手続きできそうですが、審査に通る書類を作成することは、場合によっては難しいこともあります。

あぁ…僕、書類を書くの苦手なんだよなぁ…

書類作成が苦手な人や、忙しい人のために、便利な方法もあるぞ。

金属くず商許可や、古物商許可の申請書類の準備は、行政書士を利用すると簡単にできます。

行政書士とは、許認可の申請に必要な書類を、代わりに用意してくれる専門家です。

行政書士が書類をすべて用意してくれるので、依頼者は、書類に署名や捺印をして、警察署に持って行くだけで、簡単に金属くず商許可や、古物商許可を申請できます。

また、オプションとして、警察署での申請もやってくれる行政書士もいるので、そちらも利用すれば、行政書士にほとんど任せっきりで、許可を取ることができます。

へぇ~!それは便利だね~!

金属スクラップを買い取って転売する場合に古物商許可は必要? まとめ

金属スクラップを買い取って転売するのに、古物商許可は不要です。

古物商許可は、中古品を転売目的で買い取るための許可です。

ですが、金属スクラップは、古物(古物商許可で扱う中古品)から除外されているので、古物商許可がなくても転売目的で買い取ることができます。

ただし、金属くず商許可の条例がある県で、金属スクラップを転売目的で買い取るには、金属くず商許可必要です。

金属スクラップを買い取るビジネスを行うのに、古物商許可は必要ありませんが、古物商許可を取ることで、ビジネスの幅を広げることもできます。

古物商許可や、金属くず商許可の申請は、行政書士を利用すると簡単にできます。

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