【古物商 実務解説】偽物やコピー品を買い取ってしまったらどうする?

この記事はトラスト行政書士事務所が監修しています

2020年4月1日古物営業法が全面改正されました。そのため記事の内容に一部古い情報がある場合があります。詳しくは【2020年4月1日全面施行】古物営業法が改正されましたをご覧ください。

古物商が、偽物や、コピー品を買い取ってしまったら、警察に報告しないといけません。

報告を怠ると、最悪の場合、古物商許可を取り消される可能性もあります。

また、商標法や、不正競争防止法という法律に違反する可能性もあります。

この前、ブランドバッグを買い取ったんだけど、詳しい人に見せたら、偽物って言われて…

それは、警察に報告しなきゃ!

偽物や、コピー品を買い取ってしまったときにどうするか、詳しく解説しましょう。

偽物を買い取ったら警察に報告する義務がある

古物商は、偽物や、コピー品を買い取ってしまったら、速やかに警察に報告しましょう。

なぜなら、古物商には、偽物や、コピー品を買い取ってしまった場合、警察に報告する義務があるからです。

ちなみに、盗品を買い取った場合も、同じように報告する義務があります。

そうなんだ!

警察への報告を怠ると、最悪の場合、古物商許可を取り消される可能性もあるので、必ず報告しましょう。

報告したら、こっちが逮捕されちゃうんじゃ…

偽物や、コピー品を買い取ってしまったからといって、逮捕されることはほとんどないので、警察に正直に報告しましょう。

偽物だと知っていながら買い取ることや、偽物を本物だと偽って販売することは、罰せられる可能性が高いですので、そのようなことは、絶対にやめましょう。

商標法・不正競争防止法に違反する可能性もある

古物商が、偽物や、コピー品を買い取ってしまうと、場合によっては、商標法や、不正競争防止法といった法律に違反する可能性もあります。

そのことについて、詳しく解説しましょう。

登録商標を無断で使うと商標法違反

登録商標の名称や、ロゴなどを、無断で使った商品を買い取ってしまうと、商標法という法律に違反する可能性があります。

登録商標?

ブランドの名称やロゴなどのことを、商標といいます。

商標は、特許庁に登録することで、その商標を使う権利を守ることができるようになっていて、そのように登録した商標のことを、登録商標といいます。

そして、登録商標を無断で使ってはいけないということが、商標法という法律で定められています。

そのため、登録商標を無断で使った偽物や、コピー品を販売したりすると、商標権の侵害といって、商標法に違反することになります。

偽物や、コピー品を買い取るだけなら、さすがに、商標権の侵害にはならないでしょ?

それが、買い取るだけでも、商標権の侵害になることもあるのよ。

登録商標を間接的に侵害しても商標法違反

商標権の侵害は、登録商標を無断で使うといった直接的な侵害だけでなく、間接的な侵害もあります。

例えば、登録商標が無断で使われた商品を、販売のために仕入れるといったことも、商標権の侵害にあたる可能性があります。

これは、たとえ販売しなかったとしても、販売のために所有するだけでも、商標権の侵害にあたる可能性があります。

えぇ!?間接的な侵害もあるなんて!

気づかずに商標権を侵害していても商標法違反

登録商標が無断で使われた商品を、そのような商品だとは知らずに買い取ったとしても、商標権の侵害にあたる可能性があります。

えぇ!?そんなのおかしいでしょ!

どれくらい「わざと」かによるわね。

例えば、商標権について何も知らない人が、登録商標が無断で使われた商品を、正規品だと思い込んで仕入れたとしましょう。

そのような場合は、わざと商標権を侵害したわけではないと判断されて、商標法に違反する可能性は低いです。

よかった~。

例えば、商標権について知っている人が、登録商標が無断で使われている商品を、本物かどうか確かめずに仕入れたとしましょう。

このような場合は、わざと商標権を侵害したと判断されて、商標法に違反する可能性があります。

そんな~。「わざと」ってヒドいんじゃない?

法律ならではの考え方ね。

これは、未必の故意といって、「犯罪になるおそれがある」と分かっていながら、ろくに確認などをせずにとった行動は、法律では「わざと」と解釈されるのです。

えぇ!?そうなの!

商標権の侵害の罰則

商標権の侵害の罰則は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくは両方です。

お、おぉ…

法人だともっとスゴいのよ。

法人による商標権の侵害の罰則は、3億円以下の罰金です。

あわせて、商標権の侵害を実行した人にも、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくは両方が、科せられます。

(;゚Д゚)

有名な商品の商標を無断で使うと不正競争防止法違反

偽物や、コピー品を買い取ってしまって法律違反となるケースは、登録商標を無断で使った商品を買い取るケースだけではありません。

買い取ってしまった偽物や、コピー品に、たとえ登録商標が使われていなくても、有名な商品の偽物であれば、不正競争防止法という法律に違反する可能性があります。

そうなの!

先述した、商標法で禁止されていることは、登録商標を無断で使ったり、登録商標が無断で使われた商品を販売したりすることでした。

不正競争防止法は、登録商標ではないロゴなども、無断で使ったり、無断で使われた商品を販売したりすることを禁止しています。

不正競争防止法で取り締まれるのは有名な商品だけ

不正競争防止法で、登録されていない商標でも、無断で使ったりできないと定められているのであれば、商標法はなくてもいいように感じることでしょう。

そうそう!僕もそう思った!

実は、どんな商品の偽物でも取り締まれるわけじゃないのよ。

不正競争防止法では、有名な商品の場合には偽物や、コピー品を作ったりすることを禁止しています。

例えば、『マクドナルド』が登録商標ではないとしましょう。
(※実際は、登録商標です)

マクドナルドのことを知らない人は、ほとんどいないでしょう。

それだけよく知られた、マクドナルドのロゴや名前を無断で使って、ハンバーガー屋を営業したりすれば、不正競争防止法に違反する可能性が高いです。

逆に、有名じゃない商標だと、それを無断で使っても、不正競争防止法に違反する可能性は低いです。

なるほど~。

有名な商品を間接的に侵害しても不正競争防止法違反

有名な商品の偽物や、コピー商品を作ることだけでなく、そのような偽物を販売したり、販売のために仕入れたりすることも、不正競争防止法に違反する可能性があります。

間接的なことも違反になるのは、商標法と同じね。

不正競争防止法違反の罰則

不正競争防止法には、いろいろな違反行為があって、有名な商品の偽物や、コピー品を、販売のために買い取ることへの罰則は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金、もしくは両方です。

こっちも、なかなかの罰則だなぁ~。

古物商は日頃から偽物に気をつけるべき

古物商は、偽物や、コピー品を買い取ってしまったと分かったら、速やかに警察に報告しましょう。

報告することで、商標法違反や、不正競争防止法違反になることから、免れる可能性もあります。

そもそも、警察への報告は古物商の義務なんだから、守らなきゃね。

また、自分で気がつかないうちに、商標法違反や、不正競争防止法違反になる可能性もあるので、買い取りの際は、日頃から偽物に気をつけることも大事です。

いつもしっかり確認していれば、違反になるリスクを抑えられるね。

『商標法と不正競争防止法の関係』

商標法と、不正競争防止法は、似ている法律なので、どちらか一方だけがあればいいように思えるでしょう。

でも、2つの法律が存在し続けるのには、理由があります。

それは、2つの法律が、双方のメリット、デメリットを補い合う関係になっているからです。

【例1】
全国で有名ではないものの、沖縄では知らない人のいない、『めんそーれ』という沖縄そばチェーン店が、沖縄にあるとしましょう。

ある日、北海道に『めんそーれ』というラーメン屋がオープンして、それを知った沖縄の『めんそーれ』の店主が、北海道の『めんそーれ』を訴えたとします。

このような場合、沖縄そば店『めんそーれ』は、北海道ではほとんど知られていないので、不正競争防止法違反で訴えるのは難しいです。

ですが、もし、沖縄の『めんそーれ』の店主が、『めんそーれ』を商標登録していれば、商標法違反で訴えることができます。

商標法は、登録された商標の権利しか守ってくれませんが、裏を返せば、有名じゃない商標でも、登録していれば権利を守ってくれます。

【例1】のようなとき、商標法は有効に活用できるのです。

なるほど~。

逆に、不正競争防止法が役に立つときもあるのよ。

【例2】
それまでほとんど知られていなかった商品が、ある日、テレビで紹介されたことをきっかけに、全国で人気になって、それを真似した商品が出てきたとします。

本家の商品を作った人は、こんなに人気になるとは思っていなくて、商標登録をしていなかったとしましょう。

このようなとき、本家の商品を作った人は、偽物の商品を商標法違反で訴えるのは難しいですが、不正競争防止法違反で訴えることができます。

突発的に有名になった商品は、商標登録が間に合わない事態に陥りやすいですが、不正競争防止法は、登録されていない商標でも、有名な商標であれば権利を守ってくれます。

【例2】のようなとき、不正競争防止法は有効に活用できるのです。

ホントだ~!メリット、デメリットを補い合ってるね!

古物商は目利きが大事

古物商は、偽物や、コピー品を買い取ってしまわないためにも、目利きの能力を磨いておくべきです。

特に、ブランド品や、美術品を扱う古物商は、買い取り商品に偽物や、コピー品が紛れこみやすいので、目利きの能力がより大事になってきます。

鑑定士の資格は存在しない

偽物を見分けられるように、鑑定士の資格も取っておいた方がいいかな?

実はね、鑑定士の資格なんてないのよ。

ブランド品買い取り店に行ったことがある人は、そこで働いている鑑定士を見たことがあるでしょうし、テレビ番組などで、美術品の鑑定士を見たことがある人も多いでしょう。

そのような鑑定士は、資格を取って鑑定士になったわけではありません。

日本に、ブランド品や、美術品の鑑定士になるための資格は、存在しないのです。
(※民間資格がある分野もあります)

極端に言えば、「私は鑑定士です」と名乗るだけで、誰でも鑑定士になることができます。

えっ!?みんなインチキってこと!

日本の鑑定士の多くは、先輩のもとで修業したり、勤め先が行うカリキュラムで学んだりして、鑑定士になっています。

中には、ろくに鑑定できない悪徳鑑定士もいるかもしれないけど、基本的には大丈夫よ。

偽物を見分けるコツ

目利きが大事って言っても、資格もないんじゃ、どうやって腕を磨けばいいんんだ?

経験を積むしかないわね。でも、私が知ってるコツだったら教えてあげる。

金具にムラがあるブランドバッグは怪しい

ブランドバッグのファスナーなどに使われている金具は、素材に真鍮を使っていることが多いです。

ですが、偽物や、コピー品だと、鉄にメッキを施しただけの素材を使っていることが多いです。

パッと見ただけでは、見分けがつきにくいのですが、真鍮は、鉄メッキに比べて、光沢にムラがないという特徴があります。

一方、鉄メッキは、光沢にムラがあり、ゴツゴツした印象を受けるものが多いという特徴があります。

もし、メッキが剝がれていたりすれば、偽物の可能性が極めて高いと言えるでしょう。

形がキレイすぎる工芸品は怪しい

漆器や、壺などの工芸品は、本物だと、職人が手作業で作っているので、作品の曲線に多少の歪みが出ることがあります。

そのような歪みは、決して失敗作ではなく、芸術の一部としてとらえられていることも多いです。

そのため、あまりにも形の整った機械的な作品は、偽物の可能性もあります。

【古物商 実務解説】偽物やコピー品を買い取ってしまったらどうする? まとめ

古物商は、偽物や、コピー品を買い取ってしまったら、警察に速やかに報告しないといけません。

警察への報告をおこたると、最悪の場合、古物商許可を取り消される可能性もあるので、注意しましょう。

古物商が、偽物や、コピー品を買い取ってしまうと、商標法や、不正競争防止法に違反する可能性もあります。

商標法や、不正競争防止法は、偽物や、コピー品だと知らずに買い取った場合でも、違反する可能性があるので、日頃から偽物には注意して、買い取りを行いましょう。

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